絵画からのヒント 2

前回お話ししたのは、写真と絵画の類似点。
今回は双方の相違点をみてみましょう。
一般的に言われる、写真と絵画の違いは、絵画はゼロから足していくもので、写真は100から差し引いていくもの、ということです。
また根本的に制作過程が違いますね。ファインダーをみて、カメラという機械で一瞬にして写真として写す一方、絵画は人の手で時間をかけて制作していきます。
1800年代はじめに、つまり19世紀に始まった写真は、写真発明当時は「これで絵画はなくなる」と言われた時期があったそうです。物をそのまま映し出す写真の技術があれば、写実的に描く絵画はいらなくなると思ったのでしょうね。でもそんなことは21世紀になった今でも起こりません。
なぜならたとえ写実的な絵画でも、真実のみ写すまたは真実しか写せない写真と違って、作家の趣向やメッセージで表現方法を変えられるからです。
たとえ照明や演出などをしても写真は、そこにあるそのものを写し出します。それと違って絵画では意図によってかえられるという違いがあるのです。
相違点や類似点、比べてみると面白いですし、だからこそ両方の特徴を学びながら、それぞれのテクニック、写し方、構図の撮り方などのヒントにできたらいいですね。
双方のよい部分を写真撮影に取り入れていきたいものです。

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絵画からのヒント

写真と絵画。差異はいろいろありますが、類似点も実はあるのです。
さらに写真撮影、写真の見方も絵画から学ぶこともあるので、絵画を描く、または絵画を鑑賞することによって得るヒントもあるのではないでしょうか。

写真が存在していなかった時代の絵画をみてみましょう。
精密な遠近法から光の射し方などが写実的に描かれている絵画は、画家の卓越した観察力と表現力が現れています。そこからみる光の捉え方などじっくりみてみると、被写体に対する照明器具を設置するヒントにもなります。例えば被写体と背景のコントラストと、メインの被写体にあたる照明の程度など。絵画ですから表現したい程度の明暗をつけれますが、それが写実的絵画の場合、明暗のバランスが崩れていればおかしくなってしまいます。そのため正確な光のバランス、コントラストを表現する必要があるのです。さらに肖像画をじっくりみていると、目にキャッチライトが入っていたりと、人の表情が生き生き見せる、人間らしい演出もなされていることに気づきます。実際に光があるところでは人の瞳に一点の明るい光が入るので、実際にそれを表現しただけなのかもしれませんが。

アート全般がお好きな人は、写真と絵画に違いはなく鑑賞されるでしょう。
絵画を描かれる方もまた写真からヒントを得るということも聞いたことがあります。
それぞれの要素から相乗効果で表現の幅が広がるといいですね。

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