素材そのまま

料理写真の撮影にはコツも技術も、そして経験も必要なので撮影話題も絶えません。今回は料理する前の食材そのものを自然にそして新鮮に撮影することにテーマをおいてお話ししましょう。

調理前の食材そのものの姿を撮影する。それは魚をおろす前、野菜を切る前など形そのものがある姿を撮影します。ナチュラル感を出しつつディテイルを丁寧に伝えるためにマクロモードが活躍します。
さらにF値を開放気味にし、植物と同じように、「新鮮」と「食材」の意味を重視し、撮影前には霧吹きなどを使って演出しましょう。

そして被写体の組み合わせも大切です。素材の相性。魚や肉類など撮影する際に実際に調理する食材を一緒に撮影することによって画像上に鮮度、食欲などの相乗効果が生まれるのです。

料理をオーダーして、運ばれる際には付け合わせとして添えられている色や飾りの役割のものがありますね。それに似た効果が撮影時にも参考になります。

素直に「おいしそう」というものは調理後だけでなく、調理前の食材そのものにも反映されるということ。料理撮影と同じように、料理の基である食材写真もぜひこんなことに注目して撮影してみたいですね。料理撮影の照明機材

カメラストラップ

カメラストラップというと、昨今ではおしゃれなアクセサリーの一環のようですね。さらに驚くほどストラップの種類が多く、オンラインショップなどで取り上げられているのを見ます。

コンパクトカメラでメーカーの付属のカバーで持ち歩いたり、薄くて軽いものは別として、
一眼レフカメラや中型カメラにはストラップは必須のアイテムといっていいでしょう。写真学校でも入門者にはストラップの取り付けを進めると思います。
カメラストラップの重要性を忘れがちなのですが、撮影する時はもちろん、レンズの取り替え時などもきちんとストラップを首から下げて、カメラボディーを守ることが大切です。

そして盲点は、カメラをテーブルや一定の場所に置く場合、必ずストラップをすべてテーブルなどの上に揃えましょう。カメラはテーブルに、でもストラップがぶら下がった状態で置かれた場合、何かの拍子にストラップが引っ張られカメラが落下する危険があります。大げさに思われるかもしれませんが、実際に起こるケースが多いのでこれは注意ですよ!

本来カメラボディーを支え守る役割のストラップ。重量に耐え、さらに素材や色、デザインが多種多様になった現在では、お気に入りのストラップをカメラにつけられるという楽しみも増えましたね。
カメラへの愛着も増しそうです。

「家族」について

11月16日公開された「鈴木家の嘘」という映画が気になります。
主演の岸部一徳さんがラジオ番組のゲストに出演されたのを聞いたのをきっかけに、他のキャストのみなさんはもちろんのこと、岸辺さんと監督の野尻克己さんのインタビュー記事などを読んで、さらにこの映画に惹かれます。

橋口亮輔監督、石井裕也監督、大森立嗣監督などのもとで助監督を務めてきた野尻監督の長編劇場映画デビュー作。
スタッフリストには、撮影、照明、音楽など近年の日本映画を牽引する作品に携わってきたスタッフのクレジットがありさらに拍車がかかります。

ものがたりのあらすじは、鈴木家の長男が突然この世を去り、そのショックで母が意識を失う。四十九日に意識を取り戻した母が長男のことを聞くと、とっさに長女が兄の死を隠してアルゼンチンに行ったと言ってしまい、そこから母のために「嘘」を重ねていくというストーリー。
予告編を見ると、コミカルな場面展開や、飄々とした岸辺さんの存在、監督自ら語る家族につていの思い、思考がからまって、ぷぷぷっと笑ってしまう映像があるのに劇場にはハンカチを持っていかないとと思ってしまう場面も。

コミカルなのにすーっと画面に惹きつけられるのは監督の実体験をもとにしたものがたりだからかもしれません。
映画を見終えた監督の母親が「音楽がよかった」「ありがとう」と言ったそうです。
音楽担当のAkeboshiは「ぐるりのこと。」主題歌や、「恋人たち」の主題歌も手がけていて、この「鈴木家の嘘」の主題歌「点と線」のMVは鈴木家の長女役の木竜麻生さんが出演しその一年後を描いた内容になっています。映画の後でまたもう一度堪能したいMVです。
そのMVの監督も、もちろん野尻克己監督。

撮影機材・LED照明の専門店

一人撮影

写真撮影、照明機材が揃っているものの、実際の撮影時にはアシスタントなしで一人撮影もあるはず。それでも一人撮影の場合にはレフ板などどうやって設置しよう、と考えてしまいますね。
そんな時にレフ板ホルダーというスタンドがあることをご存知ですか?
これはその名も通り、三脚を設定してレフ板を固定できるアイテムです。
これがあれば、多灯ライティングに夜撮影にも重宝しそうです。

ブツ撮りはもちろん、ポートレーと撮影にもアシスタントなしで撮影でき、必要な補助照明から、モデルのアイキャッチなど調整しながら一人でも撮影が進められそうです。

時間をかけても一人でじっくり撮影をしていきたい人にも必要アイテムかもしれません。LED撮影機材

かっこよくて、チャーミングで、聡明で、ユニークで、唯一無二

この9月に去られた樹木希林さんの写真展が、東京ミッドタウンのフジフィルムスクエア ミニギャラリーにて開催されています。

世俗や慣習などに流されることなく確固たる意志、考えを通す姿は芸能関係者からも一般の視聴者からも大きな羨望とともに尊敬と信頼、支持があった、唯一無二の俳優だったのではないでしょうか。
それを示すエピソードは枚挙にいとまがありません。

多くのドラマ、映画、そしてCMに出演作品がありますが、1978年から40年間富士フィルムの広告、CMに出演され、富士フィルムといえば樹木希林、といった私たちの中でイメージがわくほど定着したものです。富士フィルムが樹木希林さんに感謝を込めて開催する写真展なんですね。

フジカラーのCMで突出して有名なのが、岸本加世子さんのセリフ「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに」というフレーズ。
当初台本には「美しい方はより美しく、美しくない方も美しく」というフレーズだったそうです。それに対して樹木さんが「そんなの嘘だ」と反論し、後半部分を「そうでない方はそれなりに」という文面に変えたということです。つまり、あのヒットしたセリフは樹木さんの発案だったんですね。
優しくて、あたたかくて、ウイットの利いた素晴らしいコピーですよね。

樹木さんは、「写真は家族の記憶をとどめるもの」と語っていたそうです。
そう考えると、写真ってなんて優しいものなんだろう、なんて思ってしまいます。

この写真展には多くの雑誌社の協力も仰ぎ、あの有名な家族写真、SWICHの表紙写真も展示されています。
じっくり、ゆっくり拝観したい写真展です。

撮影機材・LED照明の専門店

ダブルディフューザー

ネットショップ用の写真撮影にはなんといっても照明機材で差がつきます。
いかに商品を引き立てるかは「光」がポイントだからですね。スタジオでなくても家庭でも適切な照明機材をセッティングをすれば、ネット上で商品アピールが可能!

さて、照明機材にはいろいろありますし、照明方法も経験が必要なもの。でもコツをおさえて初心者でも商品価値をグッと引き上げるような撮影を試みてみましょう。
さて、照明とともにポイントアイテムのひとつがディフューザー。通常ソフトライトボックスには蛍光灯とともにボックスの発光面が半透明な素材で閉じられています。これがディフューザーとして機能しますが、被写体とソフトライトボックスの間にもうひとつ薄いディフューザーを使いダブルディフューザーにするとさらに光が柔らかくなるというテクニックがあります。
蛍光灯の強さと被写体との距離にもよりますが、2つのディフューザーを使って光り調整をすると自然で適切な照明を得ることができます。

このダブルディフューザー、ちょっと手を加えてソフトライトボックスのなかに白いナイロン素材の布を発光面と平行になるように縫い付けてもいいですね。
照明機材をセッティングした時点ですでにダブルディフューザーの撮影ができます。
撮影照明の新宿ショールームオープン

知らない世界

いくら歳を重ねても知らない世界というものは限りなくあるものですね。
そんな再確認をしたのは、こちらの総合芸術高校5期卒業生というアカウント名「Mozu」さんというの男性のツイートを見つけた時でした。

ツイッターのプロフィールには、「全て手作り」がモットー。ミニチュアやコマ撮りのアニメ、トリックアートなど色々制作しています、とあります。
はじめにツイートを見て目を引いたのは、一般家庭にある壁際のコンセントとそのコンセントよりも小さなドア枠から続く階段が映されたビデオです。
二口のコンセントプラグよりも小さなドア枠、そしてそこから続く階段。
え?ものの大きさのバランスをさらりと覆され、心地よく不可解な感覚におそわれます。
彼のツイッターページにいくと、制作の設計図からメイキングなどまであり、制作期間4ヶ月だという気の遠くなるような細部を見ることができます。

こういう世界もあるのかあ、と思っていると、関連したツイッターに、ミニチュア写真家、ジオラマ職人などなど挙げられているのをみたり、Mozuさんのジオラマアニメーターとしての作品集がAmazonにあるのをみると、こういう世界を知らなかっただけなんだと実感します。

たった1日で4万リツイート、5万いいね!を獲得したというMozuさん。
想像力と創作力、不意にエッシャーを思い浮かべます。
いやあ、本当に面白いです、圧巻です。
制作してそれを撮影して作品と成す手法は、写真家の今道子さんにも通ずるようにも思えます。
徹底した自分ワールドが冴え渡り、多くの人を魅了する、まさにアートですね。

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優しい写真

幡野広志さんの写真展「優しい写真」が11月15日まで、ソニーイメージングギャラリー銀座にて開催されています。

幡野さんの二歳の愛息、優くん。写真の中の優くんの笑顔につられて、知らずうちに相好を崩すとはこのことかなと感じるほど。

幡野さんは2017年に多発性骨髄腫を発病し余命宣告を受けます。その前年に優くんが誕生。今年2018年8月に「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」という本を出版し大きな話題になりました。本の帯には「余命宣告を受けた35歳の父が2歳の息子に伝えたい大切なこと」とあります。
息子に伝えたいその大切なことが言葉となったのがこの本ならば、写真になったのがこの写真展「優しい写真」の一枚一枚の写真なのでしょう。

親が子どもに残せる写真って、本当に素敵だなあと実感します。
優くんの頭の上に一羽の白い鳥が止まり、驚きと嬉しさが同時に訪れて目を閉じた瞬間を写した写真があります。
写真展に寄せた幡野さんの文章の中に「どういう仕組みなのかよくわからないけど、カメラのシャッターを押すと一瞬で写真として記憶される。」というユーモアある表現の一文が印象的です。
「健康なときよりも充実した日々を過ごしている。生きていて、本当に良かったとおもう。」と綴る幡野さんの一瞬一瞬と、一緒に過ごす優くんの一瞬一瞬がどんなに充実していて優しいものなのかを想像します。

ギャラリートークがまたまた魅力的です。
11月10日は糸井重里さん。11月11日は写真家の鈴木心さん。
行ってみたいですね、写真展もギャラリートークも。

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レンズのはなし

今回は、基本的、だけれど意外にはっきり知らないことをお話ししましょう。
レンズには必ず「f=50mm」といったように、fと数字が明記されています。
fはもちろんfocusのfで、焦点のことですね。そして、数字はそのレンズの焦点距離を表しています。つまり、いわゆる標準レンズといわれるf=50mmのレンズはレンズから焦点が生じる距離が50mmということになります。

この数字の違いが、もちろん写真表現にも大きく関わってきます。
何度かお話ししたマクロ撮影。これまた望遠マクロと広角マクロでは随分写り方が違ってきます。なぜなら、そう、この数字に注目です。
例えば望遠マクロ、f=100、135以上ですね、一方広角マクロはf=24、28といった具合でしょうか。最短距離で被写体を撮影するとその違いはあまり分かりませんが、少し距離を撮って同じ被写体を望遠マクロ、広角マクロで撮影するとその違いがはっきり分かります。
広角マクロは画角がひろいため、画角の狭い望遠マクロに比べ背景が写り込んできます。
これを利用して、ボケたバックを利用して周囲の環境とともに雰囲気を出す写真には適したレンズといえます。

こんなふうに、基本的なカメラの機能、用語、表示などを気にしてみると
普段の写真撮影や撮影機材選びにお役立ちになりますよ。撮影機材の直販

大阪に新名所

11月3日、大阪に美術家の森村泰昌氏の美術館がオープンします。
その名もM@M (モリムラ アット ミュージアム)。
言わずもがな、歴史上の著名人や名画の中の人物に扮し、セルフポートレートとして作品制作で知られていますが、1985年にフィンセント・ファン・ゴッホの自画像になる写真作品を発表するまでには版画、デザイン、絵、文章などなど模索する日々が続いたそうです。
今や世界的に有名な現代美術家となり、2011年には紫綬褒章を、ヨコハマトリエンナーレ2014年にはアーティスティックディレクター就任など活躍されています。

ちょっと思い浮かぶだけでもかなりの作品数がありますし、森村氏のHPで作品を見てみると「こんな名作にも扮していたんだ」と驚くものまであります。
そんな森村氏のミュージアムと言ったら、これまで目にしたことのない作品まで多くを目にすることができるはず。
「君は『菫色のモナムール、其の他』を見たか?- 森村泰昌のもうひとつの1980年代-」というオープニング展覧会のテーマ通り、作品発表を始めた1980年代をテーマに構成され、これまで見る機会がなかった作品も披露されます。
ミュージアム内は二つの展示室、ライブラリー、サロン、ミニシアター、ショップという構成で、展覧会の鑑賞からカタログ、グッズの購入も楽しめるそう。

半年に一度企画展が行われて、その度にテーマが変わるということなので、時代、作品、森村作品にどっぷりと浸かれる、大阪の新たな名所になりそうです。

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