ロー・ポジションとロー・アングル

海外でも人気と評価が高い小津安二郎映画。
名作は白黒からカラー映像まで様々ですが、今観てもなお古さを感じさせないのは日本人ならではの「美」と「生活」が垣間見れるからかもしれません。
反対に、現在の日本では薄れてきている「家族のかたち」や「つながり」を再発見することもあります。
さて小津映画が海外で人気なのは日本美がゆっくりと映し出される魅力のみならず、小津映画の特徴的な画面構成、画角、構図も特徴的だからと言われています。

有名なこの小津式はカメラの位置が低いことです。
「小津のローポジション」と言われるのはこのゆえ。ローポジションとはカメラを構える低い位置を表します。ちなみに高い位置で撮るのがハイポジションで一般的な映画やドラマでの撮影位置が目の位置にあたるアイポジションです。
このローポジションと混合するのが、ローアングル。
ローアングルは低い位置から被写体をアオリ気味に見上げて撮影する技法のことです。
小津のローポジションは多少なりとも上向きはあるものの、あくまでも低い位置でカメラを設置し撮影したローポジションです。
この撮影方法は日本人の生活スタイルである、日本間、畳の日本式家屋と、正座をすると低い位置に配置される人物を最適なポジションで構図するという効果を生みました。

テーブル、椅子での生活スタイルの欧米とは人の生活の高さ自体が違ったんですね。
美しさを追求した映画監督の撮影方法が現在でもその映像によってみることができます。
映像と写真では違いますが、視点となる「絵」には共通点がたくさんあります。こんな風に映画から写真撮影のヒントを得るのも素敵なことです。

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ブロガーの写真掲載

最近毎日必ず目にすると言っていい単語「アベノミクス」。
先日やはりこの「アベノミクス」に関連したテーマの記事を目にし、「プロブロガー」というカテゴリーがあることを知りました。
「職業 : プロブロガー」、なるほど時の変化とともにIT関連が変化し続けるように、職業の種類も変化し続けるのですね。

情報の共有または仕事のプロモーションと言った宣伝的な情報提供、記録としての媒体などとブログの役割は様々でしょうが、一般人には趣味の範疇かもしれません。
しかし今やそれがまるで作家のようにブログの収入で生計を立てている人が出てきているとは、いろいろな需要と供給、そして変化するアプローチの形態を感じます。
さて、プロまたはかなりの頻度でアップするブロガーがブログ内で写真をどのように捉えているのか少し見てみましょう。
まずブログでは毎日、定期的に記事をアップすることが大切ということで、つまり早さをも要するということです。そのため写真を掲載する際にも画像編集が早くてキレイなソフトを使用することが大切だそうです。なるほど。
高画質で撮影した写真をそのままでは重すぎてしまいます。かといって圧縮しすぎたりすると画像が粗くなりますし、適切で美しい写真の編集を追い求めていると時間がかかりすぎます。それでキレイに圧縮し、劣化のない写真に編集できるソフトを使用するそうです。

文章がメインのブログでも、写真がメインのブログでもまずは更新し続けることが大切だと言うのは説得力があります。アップするまでに時間がかかりすぎては億劫になり続かないこともあるかもしれません。ブログを目的で写真撮影をする場合は、撮影時の基本的テクニックに合わせて、写真をアップするまでの画像編集でも、ご自分が使いやすいソフトを探されることも、ブロガーとしてのポイントになりそうですね。

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レトロ写真

高画質、HD、3Dなどと言ったように日々進化する映像の世界。クリアでキレイな映像にひきこまれるような魅力がある一方、だからこそなのか、フィルム映画のようなレトロな映像が目を引くことがありませんか?
多数派に反して少数派はどんな意味でも目立ちますよね。
技術を駆使して、常に最新の美しい映像を研究し続ける現在も、一昔前のざらざらとした映像が魅力的というのは映像のみならず、写真の世界でも同じことがみられます。
スマートフォンの写真アプリケーションや、最近ではコンパクトカメラ自体にレトロ機能があって、ポラロイド写真や、フィルム写真の雰囲気、古く色あせてしまった写真のディテイルなどを楽しめますよね。デジタルカメラになって、きめ細かい美しさが追求されるのと同時にこのように昔のスタイルが人気になるというのは、なんとも皮肉な傾向ですが。
逆流する流行的なこともあるでしょう。前述したように少数派が「目を引く」からかもしれませんし、そしてさらに古さの中に「懐かしさ」といった安堵感のような優しさを感じさせるからかもしれません。

商品撮影といった物撮りには適さないかもしれませんが、ポートレートやスナップ、表現方法としてこういったレトロな写真を用いるのも面白いものです。
「目を引く」写真をつくる手段として利用するのもいいですね。

新宿西口ライトグラフィカ

写真から見るお国柄

あるメーカーがコンパクトカメラ発売に際して日本を含めたアジア2国、欧米2国、合計4カ国の人々にカメラ、写真についての調査を発表しています。
調査の対象は対象は子どもを持つ両親。
カメラに求めている性能、機能などはどの国も共通している内容なのですが、興味深いものは写真の捉え方と撮影後の写真の利用方法などの違いです。

例えば、そもそも写真を撮る理由で、日本では「子どもの成長の記念」という名目が多く、海外では「家族や知人と共有するため」とのこと。確かに日本では運動会、入学式、卒業式と言ったように学校のイベントに合わせて、その晴れの舞台を逃さずにと撮影する機会が増えるような気がしますが、一方海外では日本ほど学校でのイベントが頻繁ではなく、例えば運動会といった場はあまり見受けられません。そして日本ではその「成長の記録」をアルバムなどにして保管する一方、海外では「人に見せるもの」として外に発信される傾向があるのも違いのひとつです。

この他には、日本では「子ども」のみを写真を持ち歩くのが多いのに対し、海外では「家族写真」が半数を占めるという結果もありました。これは好みもあると思いますが、ひとつ感じるのは、例えば持ち歩く写真だけではなく、家に飾る写真も海外では子どもの写真だけでなく、家族写真も飾るというのはよく見かけられますね。欧米では子どもでも個人として尊重される一方、写真においては子どもだけで撮影するのではなく、子どもと両親、家族全員でひとつという意識があるからでしょうか。
家族を大切にするのに国境は関係ないのですが、その国々の文化や習慣の違い、考え方が写真にも投影されるというのが面白いですね。

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タイトル

写真にタイトルをつけることが必要な場合があります。
それは展示会に出品する写真であったり、コンテストに応募する作品であったり、また冊子や写真集を制作したり、個展を開催するにはその個展自体のタイトルも必要になりますね。
名前をつけるのって意外に難しいもの。
思いつきでとっても印象的なネーミングが出てくることもあれば、考えても考えてもぱっとしないことも。
写真は「見る」ことによってその場で感じたり、受けたりするものがありますが、そこに「読む」タイトルが加わることで写真への理解と印象、それから作者の意図などの伝達にも大きく関わってきます。
そのため結構侮れないものなのです、タイトルは。
さてタイトルをつける方法には、人それぞれありますが、なかなか時間がかかる場合は、10個でも20個でも箇条書きで候補をまず書き綴るといいでしょう。
思いつくままフレーズのようなタイトルでも、一単語だけでも。
そこからゆっくり写真と照らし合わせて選んでいくのもいいですし、知り合いや友達から意見を聞き一番好評だったものを選ぶというのもいいでしょう。

もちろんテーマに沿ったタイトルが必要な場合もありますが、意味深なタイトルだからこそ目を引くということもありますね。
また名詞などで終える「体言止め」のタイトルは印象強くなる効果もあります。
展示会を見に行ったときに、人の作品のタイトルを見るだけでも面白いものです。こんな楽しみ方で写真を鑑賞するのもいい勉強になります。

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料理ブログ写真

こんなに美味しそうで、つくりやすそうなのに、、メインの写真がぼけてる、、なんていう料理写真って結構みかけませんか?
ブログだけでなく、webレシピでの紹介が盛んなため、近年ありとあらゆる料理のレシピが載っているような気がします。
料理好きには、新しい食材を調べる際にレシピ集に行き当たりとても便利ですよね。
定番レシピが丁寧に分かりやすく書いてあったり、オリジナルが効いたひと味違った趣向で料理されているお皿も見ているだけで楽しいものです。
ただやはり、もったいない!といったショットを目にすることも。
説明画丁寧で、作る過程の写真もあって分かりやすい!だけどメインの写真のピントが、色合いが、明るさが、、、というのはたとえ一般の方々の投稿といえども正直残念なものです。
レシピサイトによっては投稿した方のレシピでオーディションなるものもあるようです。
そういったものはやはりレシピはもちろんですが、なんといっても見栄えの写真による評価が重視されるようです。そうですよね、オーディエンスの投票があったとしても、写真の力によって判断することは少なからずかと思います。

ブロガーの方を含め料理写真を撮影され、興味のある方は是非撮影の仕方のご相談から、気軽な照明機材やカメラアクセサリーのアドバイスなど是非お気軽にお問い合わせください。
喜んで対応いたします!
ちょっとした違いで料理写真がグッと変わってきます!

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逆三角構図

先日お話しした「三角構図」につづき、その反対「逆三角構図」についてみてみましょう。
もう言葉からしてマイナーに思えますが、その通り。
三角の反対ですから、つまりは頂点の山部分が下にきて、ベースの底辺部分が上にある形をとった構図になります。
分かりやすいものは建物を斜めにとった構図。
建物や人物を斜めに撮影する傾向は、被写体そのものが画面に入りきれないために対角線上にして被写体を写すためということと、あとは撮影者の好みもあるでしょう。
遠近感を効果的に出せば有効かもしれませんが、実はこの逆三角形構図、いかにも不安定な印象を与えます。少し軸線を正したくなるような生理的に安定感を欠く効果を生むんですね。

これまでにも何度かお話ししてきた基本的な構図、例えば黄金比分割や前回の三角構図を理解することは大切です。しかし同時に、日の丸構図やこんかいの逆三角構図といった、「王道」ではない構図を理解することも大切です。
違いを分かるのには比較できるものがなければ分かりません。また「マイナー」であったり、「王道でない」ものも、表現の仕方や伝えたいものによっては有効に機能します。
理解をして上手に使いこなしたいですよね。

撮影用照明の専門店

三角構図

写真の構図はとり続けるほど悩ましいような、会得していっているような、常に知識のアップデートと実践が必要になります。それでいて基本はやはり基本。被写体によって効果的な基本の構図をふまえた上で様々なオリジナル性が効いた写真に挑戦したいですね。

さて今日は、基本の構図のひとつ三角構図についてお話ししましょう。
被写体のベースを三角形の底辺に見立てて、全体を三角を描くように構図をとることをさします。
ベースの部分が全体的に大きくとられるために、安定感や安心感が与えられ、さらにその底辺の先に山となる被写体の線が描かれるため、視線をすんなりと先に導きます。
例えば山のふもとの景色と高台に建物があるとすると、ふもとがベースの底辺で建物が山の頂点部となり三角構図が成り立ちます。
またひとつの画面にひとつの三角をつくるのではなく、いくつかの三角形を重ねた構図もリズムが出て面白くなります。
人の視線の捉え方を考慮したこのような構図のとりかたは、はじめは注意して故意につくりあげていっても、つづけていると自然に安定する三角構図になっていることもあります。
これから撮影する方はちょっと気に留めてみたり、またはこれまで撮影した写真をみながら、どんな形の構図を撮影していたのか見てみるのも楽しいです。

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光のふちどり

以前「黒締め」という写真撮影のテクニックについての話をしましたが、今日はその反対にあたるような撮影方法を見てみましょう。
黒締めは白背景でガラスやボトルといった透明の被写体を撮影する際に、白飛びすることなく被写体の立体感と透明感を増すために、被写体の縁(ふち)を縁取るように黒い線で引き締めるテクニックをいいます。
まさに、物のかたちをライティングテクニックによって縁取るといった感じでしょうか。
さて、それを「黒」ではなく「光」で縁取るのがこちら。
黒いものや暗いものを逆光の光や照明で撮影すると、自ずとその被写体の周りが縁取られます。
これはポートレートなどにも有効なテクニック。
例えば、モデルを逆光を背に立たせます。ちょうどモデルの後ろ姿に光が当たるようにすれば、こちらから見るモデルの髪の毛や肩などに光が当たって、まるで光で人物の人の形をなぞったようになります。
よくいう表現で言えば「後光のような」とでもいいましょうか。
ただ、この撮影方法で注意すべき点は、明らかに逆光のためモデルの顔、体にあたる補助光が必須になります。
どのくらい光のふちどりのバランスを重視するかは、補助光とのバランスにもよります。
光そのものを調整してもいいでしょうし、可能であれば露出やシャッタースピードで加減してもいいですね。

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写真習得の狙い

大学での写真学科、写真学校でのコース、カルチャーセンターの講座まで写真を学ぶ場は多くあります。
でもその学ぶ目的を多く分かると3つあるといえるでしょう。
ひとつは写真と写真技術そのものを得る狙い。ふたつめは写真をどのように見たらいいかを習得する狙い。そしてみっつ目は写真をアート作品として撮影するための狙い。
それぞれ3つは少しずつ呼応している部分はもちろんありますが、カテゴリーとしてみると目的は違います。
まず写真は商業写真とアート写真があります。
ひとつ目では商業写真撮影が目的になり、被写体をいかに美しく撮影するかということを習得するためのものです。ふたつ目の「写真をどのように見たらいいか」を習得することは、みっつ目の「アート作品撮影」にもつながります。
写真撮影に携わるひとはフォトグラファーに限らず、作品を評論する研究者やアートディレクター、学芸員などまで幅は広がります。
例えば、個人的に写真撮影の上達を目指したり、キレイな商品撮りを目指すには技術、知識の習得ですね。または表現の手段として写真を取り入れたい場合には、それが作品として人に訴えるにはどうしたらいいのか、写真そのものから作品としての見方などを習得するため、ふたつ目、みっつ目のカテゴリーになるでしょう。
写真や写真撮影のコースなどを気軽に受けてからその目的を決めてもいいでしょうし、すでに何が目的か明らかであれば、それに適切なコースを見つけて習得されるといいですね。

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