黒がひきたつ

以前ディフューザー、レフ板のテーマの際に黒色のそれについてお話したことがあります。今回はこの黒ディフューザー、レフ板をメインに見てみます。

一般的にディフューザーやレフ板と言えば「白」、または「グレー」ですね。
光の足りない部分、つまり被写体の影になる部分に補助光としてディフューザー、レフ板を使うことがよくあります。それを黒に置き換えることによって光を補助し加えるのではなく、光をおさえて被写体に影をつくることが絶妙なライティングテクニックとして用いられることがあります。

今回は黒レフ板について考えてみましょう。
白背景に、色のないグラスや白い被写体を撮影するとします。ライディングすることに被写体の透明感は増し、ゆえに被写体のラインが曖昧になりがちです。
そこで登場するのが黒レフ板。照明によって被写体に入り込む光を減らし、シャドーラインをつくります。それによってコントラストを利用して立体感を作り出します。
この様式の撮影を、黒レフ板ありとなしでぜひ試していただきたい。
立体感とリアル感の差がくっきりと映し出されます。
次回は黒ディフューザーです。白を貴重にしたブツ撮りには必読です!
撮影機材のライトグラフィカ

黒ディフューザーの威力

白い被写体を白い背景で撮影したい場合、背景と被写体の間の明暗を調和するために、同じような明るさを得られるように照明セットを設置します。
その場合、白と白、そして同等の明暗で被写体が画像の中でとけ込みすぎることがあります。つまり主役である被写体が前に出てこないんですね。
そこで活躍するのが黒ディフューザーです。
設定するメインライトの反対側に黒ディフューザーを用意します。メインライトからの反射をおさえて被写体につくられる光の反対側にディフューザーによる影をつくることができます。白い被写体に白い背景、そこに柔らかい黒の影をつくることにより程よいコントラストと、シャープさが生まれ、立体感が高まります。

どこかに影を入れることによって、輪郭をはっきりと浮き出すことが、白い被写体には照明ポイントになります。
つまりは、被写体の形によって、それぞれ輪郭に沿って影を出すことが大切ということになります。
またさらに黒い影をつけることによって、白い被写体の色調が、さらに白く目に映るということがあります。
この微妙なライティングが、白い被写体、色調の浅い被写体には大変有効なテクニックと言えます。
撮影照明と撮影機材の専門店ライトグラフィカ

ペーパー or アクリル

これまでライディングや構図の作り方がテーマの際に、背景について何度か触れてきました。脇役のひとつである背景の大切さや、背景色によって演出も変わるということなど。
今回は背景の素材についてみてみましょう。一般的に背景にはペーパーや布などが使われることが多いですね。選択が多いことと手に入りやすいこと、そして手作りでもつくれることなどの利点があるからでしょう。今日はアクリルボードを背景として使う撮影を考えてみます。
アクリルボードの利点としては、表面が滑らかな素材がライティングによって質感を演出してくれます。また半透明のアクリルボードでは後からライトをあててディーフューザー効果も得られます。さらに、紙や布のように紙目、布目がでないので、一般的にブツ撮りでは背景の境目などをぼかすために被写体と背景の距離が必要になります。つまりはセットのサイズが大きくなります。しかし、アクリルボードの場合、その必要がなく撮影セットがコンパクトにおさえることができるのです。

写真表現に置いて、それがブツ撮りやカタログ撮影など、質感は非常に大切な要素になります。被写体、商品の性質に合わせて演出役を買う背景の素材についても試しながら選ぶことは、写真の仕上がりにも大きく関係してきます。撮影照明の専門店

レンズはそのまま

前回触れたフルスクリーンのデジタル一眼レフ機についてもうすこし。
35mmと同じ撮像サイズのため、AFレンズがそのまま一眼レフ機にも対応でき、レンズが持つ本来の焦点距離と画角がそのまま使えるといことが大きな利点の一つです。そのため、従来から一眼レフ機を使いこなしている撮影者にとっては、絞りをいくつぐらい、撮影距離はどれぐらいとればボケの表現を得られるといったことまで同じ感覚で撮影できるのは、フルスクリーンのカメラならではです。

以前カメラの購入選択のテーマで、レンズはボディーよりも投資すべき価値があるといった内容を書きましたが、そのように高価なレンズを揃えて、デジタルに移行になったとしてもフルスクリーンでのデジタル一眼レフ機に有効となれば、機能も合理性も得られるという訳です。

ちなみにレンズ以外に特筆する点は、高感度撮影でもノイズが気にならない画像が得られるということです。撮影時間、屋内撮影、シャッター速度などを気にせずに
ISOをあげて高品質の写真撮影ができます。ISO1600まではまったくといっていいほど変わらない画質、そして、ISO3200でもかなりズームにしないとノイズが目立たないほどです。
画質劣化を気にしないで感度を上げられるということは、撮影モードの幅も広がり、撮影環境自体の融通が利くことになります。
こういった撮影をすることによって、このフルフレームカメラのすごさを実感します。
撮影照明、料理写真

35mmフルフレーム

デジタルカメラのクオリティそのものを示すといっていい、撮像素子は面積がそのまま性能であり、大きさは価格に比例します。
一般的にフルフレームと言われるのは、キャノンではEOS 5D MarkII やニコンのD700といったモデルになります。価格がこのモデルの位置を物語っていますね!

大きな画像素子があってこそ、画素数が生かされるので、カメラメーカーの謳い文句の「画素数」それだけでは写真の画質を計れないということなんですね。本当に重要な要素は「撮像素子面積」だからからです。

さて、35mmフィルムカメラと同じ撮像面のカメラのメリットはなんといっても35mmフィルム一コマと同じクオリティを得られるということです。さらに、同じ焦点距離のレンズを使用しても撮影画角とボケ表現が同じようにあらわれます。
フィルムカメラを主として撮影してきたプロのフォトグラファーも、デジタルカメラ以降によってフルフレームカメラを選ぶのは当然の流れなんですね。

ただ反面でメリットとしてやはり価格の問題があります。製造コストが高く、ゆえにカメラ本体の値段も高くなるといった次第。さらに構造によりボディが大型になり、重量が重くなりスタジオ撮影ならともかく、持ち運びに適したカメラとは言いがたいところです。

性能をとるか、機能をとるか、どちらも欲しいところですが、撮影用途によって選んできたいですね。
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歪みの矯正

商品撮影の際に、マクロレンズを使用して接写撮影を試みるなど、なるべく近づいて撮影しようというスタイルがあります。
商品の形状によりますが、近づいてボケを利用した演出を取り入れると効果的になる場合と、近づくことによって商品の形が歪んでしまうことがありませんか?
そう、広角レンズを利用して、商品に近づいて撮影すると箱形など線がはっきりとしている商品の場合形が歪んで写ってしまいます。

そこでゆがみ矯正はどうしたらいいのか?
商品の形を再現するためには、近づくのではなく離れる!これがポイントです。
つまりは、広角レンズではなく、望遠レンズを利用しての撮影です。
撮影セットを設置し、今まで商品になるべく近づいて撮影していたのを、今度は商品から遠ざかって望遠レンズでズーム機能を使って撮影します。
するとゆがみが緩和、矯正され、商品本来の形が再現されます。

何気に見落としがちなテクニックのひとつ。
「離れて望遠撮影」。これが商品撮影の使えるテクニックです!
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フォーカスロックの活用法

フォカースロックってご存知ですか?
ピントを合わせた後に、ずれないように固定できる機能です。AFロックともいいますね。中盤のフィルムカメラでも同じように一度ピントを合わせてから、構図を変えてもいいようにフォーカスロックなるものがあるカメラもあります。

さて、デジタルカメラでは一般的に測距点は中央部にあります。ただ、どこて測距点を決めたとしても一度フォーカスロックを使えば、構図の選択が自由なのでなかなか便利な機能です。

さて、ではフォーカスロックの活用方法を。
活用方法は至って簡単!ピントを合わせたい被写体部分を中央部に入れ、シャッタボタンを半押しにします。半押しにするとその時点で被写体にピントが合い、シャッタボタンを離さないようにして写したい構図にフレーミングします。
その時点でシャッターを切る。
シャッタボタンを半押しにした状態でフレーミングするのが難しそうに感じても、実際に何度も撮影していくと習慣的になってきます。

この簡単撮影方法、いろいろな場面で活用したいのですが、実はマクロ撮影にはあまり向いていません。なぜならマクロ撮影のように被写界深度が浅い撮影の場合、被写体と距離の関係からピントがずれやすくなってしまうためです。

オートフォーカスではフォーカスロックが便利で構図作りの練習にも役立ちます。これを繰り返しなが、どんな撮影にも対応できるマニュアルフォーカスの撮影も試すことは写真の見方、そして構図の作り方にも有効ですよ。デジカメ 撮影機材

ハイキー表現

ハイキー表現とは、大幅なプラス補正によって、つまりは明るさを増すことによって写真の中の明るい部分を実際よりもさらに明るくするテクニックです。

一般的に禁物とされる「白飛び」といわれる写真でも、あれ?いいな。と思わせる写真を見かけませんか?ちょっと現実離れした感じで写真なのかグラッフィックなのか、ちょっと幻想的なイメージを与える写真に仕上がります。

前回も露出のテーマでお伝えしたように、カメラの内蔵露出計は、白も黒もグレーに引っ張られることから、白を白らしくハイキー表現で撮影することもあります。これは個人の好みにもよりますが、より明るく、印象も濁った感じがしないさわやかさを与える効果があります。

シャッターとスポイードから露出値を表したのがEV値ですが、このEV値を上げることによって白がもっと明るい白になります。
プラス1.0~2.0EVで段階的に試しながら撮影してみてください。
どの程度が適切なのか撮影写真を選びたいですね。

このとき注意したいのが背景です。
被写体が白いものでも背景が暗めだと、このハイキー表現もうまく効果を発揮しません。白いものには明るめの背景を。同じ相乗効果が期待できます。照明機材のライトグラフィカ

光の向き

写真撮影には何よりも大切なのは光向きですね。
それが自然光であっても、照明機材からの光であってももちろん同じです。
どの位置に被写体に光を照らすかは、作り上げるものですから。

順光は正面からの光で、真面目な印象を得ます。強いて言うとちょっとべったりとしがちですね。
一方逆光は、表情豊かで、場合によってはダイナミック、ドラマチックになる照明方法です。
すべては何をどう撮影するかによって照明方法は変わります。
この順光でも逆光でもどちらも適切でないと感じたら?
まだありますよ。サイド光撮影です。
文字通り、順光でもなく逆光でもなく横からあてた照明方法です。被写体の形や様式を考えながら、右からなのか左からなのかは両方撮影すると違いが明らかになって判断しやすいですね。
このサイド光撮影、順光のようにまったりとではなく、かといって逆光のように演出が見えるスタイルではないので、印象が自然で柔らかくなるのが特徴です。
適切な照明ほど自然に、そして「してやった感」がないものです!照明機材の販売

「光りもの」撮影

金属製の小物、キッチン用品、生活用品などの撮影の際、気になるのはそのメタリック感の演出と、一方金属による写り込みの煩わしさです。
コントラストの強さは被写体の強さにもなりますが、それが強調されすぎると少々イヤミな感じがでてしまうこともあります。それぞれ好みにもよりますが、どちらの長所もとった撮影が理想的ですよね。

写り込みを避けて、メタリック感を演出。
それにはカメラから被写体への角度=「入射角」と、写り込みを防ぐために白い紙などを置く、いわばレフ機能と被写体の角度=「反射角」が大切になります。
言葉では難しそうですが、つまりはカメラを向けた被写体には同じように対になる方向にレフ板を置くということです。

これによって、金属製の輝きを保ちながら、いらない余分な写り込みを防ぎます。
これはとっさの手作りセットでも対応可能!たとえば大判のスケッチブックを用意して、45°から90°くらいに開いたスケッチブックに被写体を置くと、ベースが白背景、そして開いた状態のページがレフ機能を果たします。
ここでポイントなのはレフ機能の白い紙が大きければ大きいほど、写り込みを和らげます。
被写体の大きさに合わせて、反射角の紙の大きさも調整!
これで「光りもの」撮影もおまかせです。光沢商品の撮影機材