『コロラド』

コロラドといえば、ロッキー山脈。
コロラド州に広がる高原を辿れば小麦畑や採掘場、牧草地などさまざまな風景が見えてきます。
高原の風景は実に美しく、とりわけ上空から見た景色は抜群です。

元地質学エンジニアで、写真家のアンダーマンによってその風景写真が公開されています。

http://evananderman.com

彼は2005年にプロの写真家になり、それから7年後にセスナ「206」を購入したそうです。
そしてセスナに新しい航空電子機器と自動操縦機能を積んで、飛行中も撮影ができるようにしました。

週に2回、彼は空の上で1日を過ごすそうです。
いつもと違う模様や色を見つけたら、スピードを落として自動操縦へと変更し、ハッセルブラッド「H5」を使って撮影を行います。

「景色を見ることであらゆるものがどのように組み合わさっているかを理解できる。」といかにも地質学者らしい感性で美しい風景を捉えています。
小麦やキビの畑、風に吹かれる干し草、放牧地で草を食べる牛、点在する工場、採鉱場、石油掘削装置、など「隅から隅まで、何らかのかたちで人間の産業から影響を受けています」と、自然と人工が組み合わさった美しさを、彼は捉えているのです。

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『DeepWarp』

自撮りやポートレートに関する技術は日々発達の歩みを止めません。
「DeepWarp」テクノロジーは、マシンラーニングによって人の顔の動きについて学習し、静止画を元にちょっとした動画を作ることができるんです。
こちらが「DeepWarp」のデモサイトのようです。

http://163.172.78.19

といっても、あまり役に立たなそうなテクノロジーなのですが。
まずはオリジナルの画像をDeepWarpのサイトにアップロードして、目の動きを選びます。
すると、3秒程度の動画ファイルを作ってくれるのです。

ちなみに動くのは目だけです。
静止画の顔が、目がキョロキョロと動く動画になります。
ちょっと気持ち悪いですね。

目の動き方にはいくつかのパターンが用意されていて、欧米で呆れたときのジェスチャーとしてよく行なわれる目をぐるりと回す動き「scroll」、左右に動く

「shift」、寄り目になる「cross」、の3種類。

この技術を応用して、ビデオ会議などで参加者の視線がズレてしまうことを修正できるようになるとのことです。
確かにカメラはスクリーンの上にあり、ビデオ画面はその下なので、カメラレンズを見つめて話さない限りはビデオチャットで目が合うということはないですよね。
でも現段階では不自然さが目立つので、その点を改善してもらわないとコワい顔になってしまいそうですね。
今のところは有名人や友人の写真を使って、目を動かして遊ぶのが唯一の使い道のようです。

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木村伊兵衛写真賞受賞のトークイベント

第44回木村伊兵衛写真賞に岩根愛が受賞されましたね。
2006年以降、岩根さんがハワイにおける日系文化に魅了されたのは、ハワイにおける盆祭りの伝統「ボンダンス」。その繋がりの原点でもある福島に2013年から拠点を構えて、12年に渡ってハワイと福島を行き来しながら撮影されて出来上がったのが写真集「KIPUKA」。
「KIPUKA」とは溶岩の焼け跡に生えてくる植物のことで、再生の源となる「新しい命の場所」という意味を持つハワイ語だそうです。
「フクシマオンド」というボンダンスが定着したのはハワイ移民の中で福島県出身が多かったからだそうです。
移民としてハワイに根付いたボンダンスと、東日本大震災で移住を余儀なく強いられた福島の人たちが踊る盆踊り。
魂が行き交うように、または、力強く神々しいなにか儀式のように人々の踊る姿が暗闇から浮き上がるようです。
「新しい命の場所」という「KIPUKA」、その言葉をタイトルにした写真集はその意味を表しているかのように岩根さんの経験と意思と行動を写真として見せてもらうような一冊です。

選考委員の石内都氏は「『KIPUKA』に結集するまでの時間の経過と誠実な仕事ぶりは、彼女のもっている資質かもしれない」とコメントしています。

今回受賞を記念して開催されるのは、大森克巳さんとパブリッシャーの町口覚さんを交えてのトークイベント。大森克己さんの写真集「すべては初めて起こる」も、そしてこの「KIPUKA」も手掛けた町口さんがゲストというより、町口さんが二人をお迎えしてトークを繰り広げられそうなところも興味津々です。
二度とない貴重なトークイベントになりそうです。

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『魚型水中フグドローン』

空を飛ぶドローンがついに水中も泳げるようになりました。
魚型ドローン「BIKI」の登場です。
驚くことに、約60mもの深さに潜れるそうです。

150度の広角レンズを備えた4Kカメラと、深海でも撮影できるLEDライトも搭載しています。
操作はアプリかリモコンで行ないます。
海上で操作するのはもちろん、ルートを事前に設定し自動で泳がせることも可能だそうです。

また、電波が通りにくい水中でも信号を超音波に変換するシステムにより、精度の高いワイヤレスコントロールを実現しています。
さらに、GPSを用いた自動帰還機能もあり、バッテリーは100分ほど持つようですが、泳ぐ速度はご覧の通り何とも遅め。

https://youtu.be/D_vWTeT-0uA

フグのようなフォルムに、尾びれをパタパタ動かして泳ぐ姿がキュートです。
これなら魚に紛れて泳げそうですね。
ダイビング中の熱帯魚の撮影などで大活躍しそうです。

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『泥発電』

従来の原子力発電や火力発電に依存しないために、ドイツなどに遅れを取りながらも、クリーンエネルギーへの注目度が年々高まってきています。
エコな発電方法としては風力発電、水力発電、太陽光発電などが知られていますが、その他にも少量の電力ならば発電方法は色々あるのです。

例えば、泥の中に住む発電微生物の力を使って発電する方法。
「マッドワット・生物燃料電池キット」なるものが販売されています。

これは土壌に自然に生息する発電細菌の力を利用するのだそうです。
発電装置と言っても、オモチャみたいな雰囲気です。
しかし、そのパワーは決して侮れません。

微生物が発する微弱な電気を集めてLEDを灯らせたり、時計を動かしたりすることが出来るのです。
さらに、スマホアプリを使えば、微生物の数や活動の様子を視覚化できたりして、学習素材的な側面も堪能できます。

さすがにスマホを充電するだけの電力は作れないようで、今のところは「泥から発電できるよ」ということを感じるだけの装置のようです。
泥は自分で用意することになっているので、もしも未知のハイパワーな発電菌が含まれていたら、大発見です。

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『スマホ上の指の跡』

あちこちを触った手で触られるスマートフォンは雑菌だらけだと言われています。
大げさではなく、付着した雑菌の数で言えばなんと便座よりも汚いのだそうです。
それに指紋でベタベタになった画面は、決して見栄えが良くないですよね。

テキサスの写真家、タビサ・ソーレンは、そんなスマートフォンの汚れに着目しました。
彼女の作品「Surface Tension」は、ベタベタのスマホ画面を撮影することでつくられています。
電話やメール、SNS、動画視聴などで、せっせと画面上に汚れを溜めたうえで、大判カメラでそのスマホ画面を撮影。
汚れのせいでディスプレイはところどころぼやけており、油絵の具を塗りたくったかのような独特のテクスチャーが現れています。

http://www.euqinomprojects.com/soren-surfacetension

べったりと指紋の跡がついた写真からは不衛生な印象を受けますが、ソーレンは汚れをアピールすることで衛生管理について注意を喚起したいわけではないとのこと。
むしろ、ソーレンはこの作品を通じて無機質なデジタル文化から人間性を取り戻そうとしている。

この作品からは、わたしたちは人間は、毛むくじゃらで、脂っぽくて、汚れているということを認識させられます。
ソーレンはこのプロジェクトを通じて、人間が本来もつ美しさを思い出させようとしているのです。

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『ボーン・シリーズの格闘シーン』

「ボーン・アイデンティティー」から始まる、マット・デイモン主演の映画「ボーン」シリーズの醍醐味と言えば、ボーンが何者であるのかという謎めいたストーリーと、そして何と言っても演技とは思えない凄まじい格闘シーンですよね。

そのボーンシリーズにおける格闘シーンについて、撮影方法の変遷をまとめた動画がアップロードされていました。

https://vimeo.com/176053995

動画で解説されているのは三作目まで。
まず一作目の「ボーン・アイデンティティー」は、カット、カメラの動き、そして音楽によって、キレのある格闘がエネルギッシュに演出されています。
また、広角のレンズが、一発一発のパンチがクッキリと映えるようにボーンの動きを捉えています。
監督はダグ・リーマン氏です。

一方で二作目の「ボーン・スプレマシー」を撮ったポール・グリーングラス監督は、カメラを手持ちで激しく動かしながら撮影することで、臨場感のあるリアルな格闘シーンに仕上げています。

そして、さらなるリアルさを演出するために、余計な音楽を流さず、カットは長回しにするなどの工夫も行われていました。
映像としてはちょっと見づらいように感じられますが、それがむしろ、まるでその場にいるようなリアルさがありますね。

三作目の「ボーン・アルティメイタム」でも、ポール・グリーングラスが監督を続投します。
格闘シーンはさらなるリアルさが追求され、より速さと激しさを増しており、動きを目で追うのにも苦労するレベルです。

また、撮影技術のみならず、マット・デイモンのアクションもリアリティを演出する上で大事な要素です。
ただのケンカ戦法ではなく、世界各国の特殊部隊で採用されている「クラヴマガ」という接近戦闘術が用いられているそうですよ。

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『群れ』

野性動物、鳥、魚、昆虫などはしばしば群れをつくって一斉に動きます。
生物はそれぞれ意思を持っていて、一体ずつが各自動いているにもかかわらず、おびただしい数の個体がつくり出す群れは、なぜだか統率のとれた動きを成しています。
まるで「群れ」という一つの大きな意思が働いているかのようです。

こうした群れの動きにも見られるような、集団を構成する個々の動きが、複雑に組織化して全体に大きな影響を与える現象を「創発」と呼ぶそうです。
創発はさまざまな場面で起きているといわれています。
シロアリがつくり出す複雑で巨大な蟻塚も創発の結果だそうで、わたしたち人間の脳の働きにも創発現象は現れているといわれています。

さて、そんな創発現象を「日用品」にまで起こしてしまった人がいます。
アメリカのアーティスト、トーマス・ジャクソンは自身の「Emergent Behavior」という作品にて、プラスティックのカップや紙皿、付箋など、さまざまな日用品を創発 させています。

http://thomasjackson.co/emergent-behavior.html

色鮮やかな日用品が群れをなすようにして宙に浮いている様子は、彫刻のような美しさをたたえながら、どこかポルターガイスト現象のような不穏さをも感じさせます。
消費社会と自然がセッションを繰り広げているようにも見え、人間と自然との間の複雑な関係を表しているようです。

ちなみに、いかにも画像処理を行なったかのように見える写真ですが、実はこれらはモチーフを事前にワイヤーなどで空中に設置して撮影しているリアル写真とのことです。

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『野生の動物ライブカメラ』

みなさん、熊に遭遇したことありますか?
僕はありませんが、熊出没のニュースやテレビ番組、たまーに見ますよね。
日本には2種の熊がいて、北海道にのみ存在する熊と、本州以南にのみ現棲するツキノワグマがいます。
真相はわかっていませんが、ツキノワグマは九州では絶滅したという噂があります。

これは、アメリカ・アラスカ州のブルックス滝近くに設置したライブカメラの映像。

http://www.youtube.com/watch?v=M2mST8OFUNo

ライブ映像ですから、熊が見れたらラッキーですね。
カメラに映った熊たちは、アラスカ沿岸のグリズリーの仲間で、オスの体重は1000ポンド(約453キロ)以上もあるそうです。
上で紹介しているものはYouTubeのものですが、ウェブカメラの中継サイト「explore」では、世界中の動物映像をリアルタイムに見ることができます。

http://explore.org/live-cams/player/african-watering-hole-animal-camera

クマ、ゾウ、パンダ、セイウチ、サメ、フクロウなど、さまざまな生き物の映像をリアルタイムで中継していて、野生の動物たちが狩りをする姿やお昼寝している姿など見ることができます。
また、リアルタイムなので、世界中の自然風景が見ることができ、世界を旅しているような気分が味わえます。

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写真集という名の写真集

幡野広志さんの初の写真集「写真集」が3月1日に発売されました。
幡野さんといえば昨年11月に開催された写真展「優しい写真」が異例の動員数を記録したことも話題になりました。
「優くん」の写真をきっかけに写真家幡野広志を知った、という方も多いのではないでしょうか。
「ぼくは息子のことを愛していた事実を伝えるために、いまを生きて写真を撮っている」と写真集に記しているように、一人の写真家が、一人の父親がただそれを伝えるために一時一時を慈しみながらシャッターをきっているその写真。
本当に、言葉がいらない写真です。

「写真集」には幡野さんの代表作三作「海上遺跡」「いただきます、ごちそうさま。」そして「優しい写真」を収録。
「海上遺跡」はその名の通り、海上に残された建築物を撮影したもので、日没直後に撮影したそうです。日没時の特有の微かな光で長い露出で撮影されたのでしょう。きっちり焦点の合った建築物と柔らかく動く波間のグラデーションが美しく、そして儚げな作品です。
そしてご自身が漁師となって撮影していた「いただきます、ごちそうさま。」という作品も幡野さんならではです。
「写真集」には「海上遺跡」から20点、「いただきます、ごちそうさま。」から30点、「優しい写真」から51点が収録されています。

発行はほぼ日、発売を記念して、3月10日まで東京と京都の同時開催で写真展も行われています。
サイト内では二度にわたる幡野さんと糸井さんとの対談も掲載され、幡野さんの言葉を読むことができます。

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