『空飛ぶディスプレイ』

NTTドコモが世界初となる「球体浮遊ドローンディスプレイ」を発表しました。
映像を投影するディスプレイを浮遊させると聞くと、CGアニメーションや近未来SFのように感じられますが、いよいよ現実のものとして販売されようとしています。

基本はドローンなので、宙に浮きつつ、さまざまな映像を表示できて、コントロールも可能です。
使い道はエンターテイメント業界に需要がありそうです。
すでに、コンサートやライブ会場で空中をモニターが動き回る演出や、会場を飛び回って広告を提示するアドバルーンのような活躍が期待されているようです。
ドローンと言えばカメラというイメージが一般的ですが、どのように映像を映し出すのでしょうか。

この「浮遊球体ドローンディスプレイ」は、全方位に映像を表示しながら飛行できます。
LEDが搭載された環状のフレームを高速回転させ、光の残像でできた映像を見ることができるというシステムです。
開発段階では、ドローンの回りにディスプレイを配置すると空気の流れを妨げてしまったり、単純に重すぎる等といった課題があり、球形ディスプレイを実現するのは難しかったそうです。

そんなハードルを乗り越え、この間、幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議」の「NTT ULTRA FUTURE MUSEUM 2017」に出展され、会場内でのデモ飛行を行ないました。
https://youtu.be/xeR5GznY2C0
商用化の予定は2018年だそうです。

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羨ましい展覧会

みたい展覧会があっても、距離的にどうしてもいけない場合、、、残念!!
そんな展覧会が、今回は九州であります。ネット上やツイッター上で見かけるたびに、あああ、と思いますが仕方がない。
そんな展覧会はというと、九州産業大学美術館での野村佐紀子さんの写真展です。
こちらは九州産業大学が卒業生の仕事を紹介する「卒業生 -プロの世界-」というシリーズで今回は7回目。野村佐紀子さんの「愛について あてのない旅 佇む光」という写真展です。
タイトルに「旅」という文字が入るとアラーキーを感じてしまうのは私だけでしょうか。野村さんがアラーキーの愛弟子だからそう思うのでしょうか。
そう、野村さんがアラーキーに師事したのは1991年、それから国内外で作品を発表し、この写真展では写真集に焦点を当てて「裸ノ時間」「黒闇」「夜間飛行」と代表作から、未発表の近作も展示されるそうです。いやあ、観てみたいですね。
もちろんご本人がご登場、オープニングにアーティストトーク、そしてオープニングパーティー、しかもどちらも誰でも参加できるといううらやまし催し。
本展のリーフレットに寄せられた野村さんの言葉の最後の行ににハッとさせられます。
『ずっと「愛について」写真撮影しています。』
いやあ、観たいですね!

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『江戸富士のインスタレーション』

2013年に世界遺産に登録された富士山。
今や国内のみならず世界中から多くの観光客がつめかけるようになりました。
東京では、プラントハンターで造園家の西畠清順によって作られたモニュメント「江戸富士」が、ミッドタウンの10周年を記念して芝生広場に登場しています。
さらに、その「江戸富士」にデータヴィジュアライゼーションで空間を演出したインスタレーションが行なわれています。

このインスタレーションを企画したのは、Perfumeとのコラボでも有名なライゾマティクスです。

富士山は科学的な側面からみると、大気・地殻・水・動植物という観点から100年近くも研究がなされてきた場所でもあります。
そんな科学的データという観点からこの山をとらえなおす試みとして、古今の研究データをヴィジュアライズし、知られざる富士山像を浮かび上がらせます。

この展示では、「江戸富士」上に17本の縦長ディスプレイが配置され、実際の富士山で計測されたデータが視覚化されます。
ヴィジュアライズに使われるデータは、それぞれの場所に固有なため、異なる映像が並行して映し出されています。
映像は雨、大気、地殻、動植物の4つのパートに分かれており、それぞれ気象庁や研究機関のデータの提供により今回の企画が実現したそうです。

また、本インスタレーションの公開に合わせて、展示制作の裏側や富士山の最新研究などのコンテンツを盛り込んだ特設サイトもオープンされています。
https://www.3776anatomy.com

サイトには富士山の3Dモデルがあり、そこにはミッドタウンの「江戸富士」のモニターの位置が表示されていて、富士山と「江戸富士」がWEB内で融合する作りとなっています。
このサイトだけでも充分楽しめるのですが、ミッドタウンでの実際の展示は、5月28日まで行なわれています。

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皆川さんの旅日記

ミナ ペルホネンの皆川明さんの北欧での旅日記が特別連載としてCasa BRUTUSのwebで見ることができます。日記だから「読む」が正しいかもしれませんが、こちらは絵日記ならず写真日記のような模様で、文章と皆川さんの視点を通した写真を見ることができます。
日本での人気はもちろん、海外でもテキスタイルの勉強をした人には随分と知られてファンが多いことも、皆川さんの丁寧な作品作りの表れなのでしょう。
北欧での旅は6月中旬から7月初旬までの約3週間で、フィンランド、アイスランド、エストニアといった自然豊かな地。ミナ ペルホネンのデザイナーとして日々計り知れない多忙な時間を過ごされているのでしょうが、だからこそこの北欧での旅日記ではいかに皆川さんがリラックスして、そしてミナ ペルホネンのテキスタイルが自然界から繋がっていることを感じます。
散歩の途中で、皆川さんの視線が止まるタンポポの群生地や、光を反射する水面、美しいミナ ペルホネンのデザインが生まれていく皆川さんの脳内を少しだけ覗いているような感覚も特別です。
「人もいない静かな街にいるのは久しぶりです。(中略)脳が休んでいるのを感じます。ここからゆっくりとアイデアを受け止める頭の中になっていきそうです。」
日記にあるこちらの箇所が印象的です。

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『青写真』

よく未来について構想を練ることを「青写真を描く」と言いますが、語源となった「青写真」とは「日光写真」とも言い、もともとは古い写真の技術のことです。

写真と言ってもカメラは使いません。
感光紙の上に図面等の原図をのせて、現像液を使って現像します。
要するに昔のコピー技術ですね。
感光させると紙は鮮やかな青色へと変化します。

それが「青写真=図面・設計図」となり、転じて計画を練ることの意味として使われるようになったわけです。
しかしやがて1950年代にコピー機が発達・普及し始めて青写真はだんだん使われなくなりました。

その青写真の技術を使って作品を制作したのが、女性写真家のメガン・リーペンホフ です。
彼女は巨大な感光紙を浜辺に持ち出し、その紙を海に浸して塩や砂、海藻を紙にまとわせました。
そうすると、思ってもいないような魅力的な模様や風合いが紙の上に描き出されたといいます。
そうやって「Littoral Drift(漂砂)」というシリーズ作品を生み出しました。

実は彼女は、400回もの試行錯誤を経たそうです。
その製作手法とは、まずは感光紙を海岸へ運びます。
水際まで来たら紙を広げて海水に浸し、感光紙を砂の上に固定させます。
あとは波が打ち寄せるままに任せるのみ。
5~30秒ほど感光させたら、感光紙を箱へと戻します。

現在もリーペンホフは、この作品を制作し続けています。
このシリーズ作品はアメリカやヨーロッパの15カ所のさまざまな海岸から生みだされたもの。
時には川や湖、水たまりから制作された作品もあります。
場所によって、紙面には異なる表情が与えられるのだそうです。

今やリーペンホフは、「写真家がカメラを持ち歩くように」いつもバックパックに感光紙を入れて持ち歩いているそうです。
そして日々興味深い水源を探しています。

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写真集バンザイ!

日本とアジアの写真作品を世界に広めることを目的としてスタートした「shashasha」。
オンラインショップで日本とアジアの写真集を中心に約1200タイトルの新刊本をはじめ、コレクターでなくとも欲しくなる希少価値の写真集まで揃っているラインナップは、見ているだけでも楽しいオンラインショップです。
2013年スタート、今年で5年目ということで5周年記念セールが開催中です。
特別価格の写真集は10パーセント割引で、嬉しいことに国内送料無料、海外送料半額というキャンペーンも同時開催です。
海外でも人気の北井一夫氏や須田一政氏などセレクションが興味深いです。世界に広めることを目的としているため、もちろんサイトは日本語と英語で見れるので、海外の友達にもおすすめできます。
記念セールだけでなく、通常のオンラインページも是非見てみてください。
現在東京都写真美術館で開催中の「荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017-」の同名公式展覧会カタログから、畠山直哉氏、北島敬三氏、藤岡亜弥氏などなど、手にとってページを開きたい写真集が並んでいます。おすすめ写真集やサインのある写真集、過去開催された様々な写真展のカタログまであるので、コレクターにはたまりません。
写真集をプレゼントとして選ぶのもいいですよね。

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『都市の写真?』

写真家・西野壮平の作品集「Diorama Map」は、世界中の都市をそれぞれに写し出した写真です。
http://global.canon/ja/newcosmos/gallery/selected-artists/sohei-nishino/index.html

写真には、「東京」、「パリ」、「ニューヨーク」など都市の名前が付けられていて、一見上空から撮影された俯瞰の風景写真のように見えます。
しかし、よく見ればそうではないことにすぐ気付きます。
西野壮平が世界中の都市を歩き回り、さまざまな視点で撮影した無数の写真を張り合わせて作ったコラージュ写真なのです。
それが上空から撮ったジオラマ写真のように、あるいは地図のように見せかけられています。
いわば各都市の現地で過ごした時間やその体験が、一枚の作品となって立ち現れているかのようです。

西野は撮影のために都市に入ったら、ローカルな場所に身を置き、ローカルな人とコミュニケーションをとり、とにかく歩き回るそうです。
「Diorama Map」では、人々に共通する認識のようなものと、西野の個人的な経験の積み重なりを一枚の「地図」にすることによって、流動的な都市の姿を描き出そうとしているとのこと。
例えば東京をイメージしたときに、グーグルマップのように正確で詳細な地図を思い浮かべる人はいないはずで、そこで自分がどういう経験をしたかによって、認識というものは違ってきます。
つまり人の数だけ都市の経験や記憶があり、それが集合体となってひとつの共同意識のような都市を形造る、と語っています。
一見ひとつの都市のようで、よく見ると繋がっていない切り貼り写真というところに、そのコンセプトが上手く表現されています。

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『エレクトリカル・ドローン・パレード』

ディズニーがIntelとタッグを組んで新しいショーを準備中とのこと。
公式タイトルは「Starbright Holidays」で、いわば「エレクトリカル・ドローン・パレード」。
その名の如く登場するのはミッキーでもミニーでもなく、なんと300機のドローンなのです。

ショーの役者は、LEDを搭載したIntelの最新ドローン「Shooting Star」。
この「Shooting Star」300機を夜空に飛ばし、プログラムされた動き、光、色の変化で夜空に様々なアニメーションを描き出します。
そこに音楽を加えれば、まさにパレード。

https://www.youtube.com/watch?v=o5CQPcPF2Qc

暗闇に舞う光の粒はまるで花火のようにも見えますね。
精密な動きと光がとても幻想的です。
フロリダ州のディズニーワールドにて新たなショーとして開催される予定ですが、詳しいスケジュールはまだ未定だそうです。
ただ、5カ月に及ぶドローンの動きの調整の末、もう完成は間近のようです。

ディズニーのナイトショーと言えば、シンデレラ城のプロジェクションマッピングも大人気ですね。
新しいテクノロジーは新しいエンターテイメントには欠かせません。
でもディズニーではそれを「魔法」と呼ぶみたいです。

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体と写真

原美術館にて9月9日から写真展示田原桂一氏が田中泯氏を被写体として写した『田中桂一「光合成」with
田中泯』が開催されます。
田中桂一氏といえば、今年6月に逝去した木村伊兵衛写真賞からアルル国際写真フェスティバル大賞、フランス芸術文化勲章シュヴァリエなど数々の賞を受賞し国際的活動を行ってきた写真家。
亡くなる直前までこの写真展の撮影準備をされていたということです。
この写真展では世界的に活躍するダンサー、舞踏家の田中泯氏とのコラボレーションの中から選び抜いた写真作品46点の展示で、展覧会の形では日本初公開ということです。確かに1978年から80年にかけての田中泯氏を撮影した写真は貴重かつ稀な作品を観ることができます。
田中泯さんは今では俳優としても多くの作品で知られていますが、ダンサー、舞踏家としてのかれの独特な踊りを目にされた方なら、その圧倒的な身体表現に撃ち抜かれるような驚きの体験をされたでしょう。それくらい衝撃であり、ひとつの貴重な体験を享受するといってもいいほどの表現者です。
このおふたりのコラボレーションとしての写真作品、見甲斐がある展示会となりそうです。
さらに見逃したくないのは、会期中に田中泯氏のソロダンスパフォーマンスがあるのです。
これは、まだ実際に田中氏のダンスを肉眼で見たことのない方には写真展とともにぜひともおすすめで、もちろん彼のダンスを見たことのある方にも。展示写真は1978年から80年に撮影したコラボレーションを写真集としてまとめるために2016年、36年ぶりにフォトセッションが行われ、その2016年の作品も展示されるようですが、主な1978年から80年の写真の中の田中氏と現在の田中氏はもちろん違います。その写真作品の中での田中氏と現在の田中氏のダンスパフォーマンスを同時に見れるという贅沢がここにあります。
関連イベントとしてのソロダンスパフォーマンスは3回あり、メールでの予約申し込みを受け付けています。見る側がちょっと緊張してしてしまいそうな、そんな贅沢な関連イベントです。

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インスタグラムの人気料理写真

モデルでパーソナリティーも務める高山都さんのインスタグラム、料理写真の撮り方に注目です。
フォロワーが9万人を超えるインスタグラムでは日々のごはんを投稿したり、モデルとしての撮影写真や、パーソナリティーの仕事風景などの写真があります。料理教室に通いながらも色とりどりで美しい盛り付けの食卓やお弁当などはすでにプロ並みな見栄え。
初の書籍となる『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』という本を刊行しています。
インスタグラムでのお料理写真は一つ一つのお皿は真俯瞰の写真が多く、自然光で撮影され、食卓の全体の様子は斜俯瞰で撮影され、夜には白熱灯の照明で全体を撮影されている時もあります。
面白いのは、料理のみの写真だけではなくて、高山さんが実際に料理やお酒を配置しながら撮影をする様子なども見れることです。実際に使っているカメラ機種の記載もあります。
料理を真俯瞰で撮影するのって難しいんですよね。光が上からならばもちろんのこと撮影する自分で料理に影を作ってしまいますし、お皿が大きければ、全体を入れるためにカメラ位置を高くしたまま自分で距離を維持しなければいけませんし、真上から撮影する真俯瞰だから三脚を使うのはちょっと、、
だからこそ、一皿写真の真俯瞰での料理写真はほぼ斜横から射す自然光で撮られています。
料理写真を撮影する際にテーブルクロスやナプキン、カトラリー、グラス、飲み物など凝ってしまいがちですが、高山さんの真俯瞰写真では木材のテーブルにそのままお皿とお箸またはフォーク、時々飲み物も添えられて撮影したとてもシンプルなものです。ゆえに食材、色艶がダイレクトに伝わって見やすい料理写真です。
ブログで料理写真をあげている方や、SNSで料理写真を投稿されている方にとっても、写真の撮り方、構図、配置など参考になる点が多いのではないでしょうか。
とっても奥深い料理写真。いろいろな人の写真を見たり、取り方をちょっとづつ変えながら試してみたり工夫と試行が必要です。
ちなみにすでに参加受付は終了しましたが、高山さんの書籍の刊行を記念して代官山蔦屋書店にてトークイベントが9月に開催されます。

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