『何の変哲も無い風景を一変させる手法』

デイヴィッド・オーグル氏は幻想的な風景を、何の変哲もない場所から生み出すアーティストです。

暗闇の中に美しく輝く球体、光を放つ煙、そしてレーザー。
これらを利用して、オーグル氏はまるで異世界のような光景をつくり上げます。

http://www.davidogle.co.uk

彼の作品「Looming」は、写真とインスタレーションアートを魅惑的に組み合わせたプロジェクトです。
オーグル氏は何もない風景の真ん中を歩き回り、そこでLEDや発煙筒、アクリルの球体といった物を使用して、ほんの一瞬、その場限りの彫刻作品をつくり出し、写真を撮影します。

例えば、マッチを擦って火をつけ、LEDのスイッチを入れ、風景のなかに作品をつくり上げたり。
そうした一瞬を切り取っているのです。

彼はいつも、午後遅めの時間から自分の好きな場所を見つけ出して、夕暮れ時あたりに撮影を開始するそうです。
ぞれぞれの作品は一瞬限りのものなので、どれも異なり、選んだ場所や使用した道具に応じて、精巧につくり上げられます。

ある夕暮れ時、オーグル氏は海辺の穴に球体を置き、赤色LEDや発煙筒によって、燃え立つ赤い熔岩のような作品をつくり出しました。
LEDでその場所を照らし出す一方で、数本の発煙筒に火をつける。
すると偶然、絶好のタイミングで風が巻き起こり、光を反射した煙の渦が生み出されたそうです。
ほんの一瞬の光景でしたが、撮影を行なうには十分な時間でした。

オーグル氏は、自らの作品のことを「何の変哲も無い風景を一変させる手法」だと言います。
そして海や雪の降る景色といった、いつもまったく違う場所や気象条件で、予想だにしない現象を試しながら撮影をしているそうです。

異世界のような風景を作り出し、表現する。
デイヴィッド・オーグルの活動にこれからも注目です。

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