極彩色ではない蜷川実花

その写真をオンラインのサイト上で見たときには、川内倫子さんの写真かな?と思ったほどです。
5月10日から10日間だけの蜷川実花さんの写真展情報がでました。
え?とおもってしまうのは、定着している蜷川さんの鮮やかでコントラストが強い写真とはおよそ対局のようなやわらかではかなくて消えて溶けてしまいそうな美しい色の写真だからです。
「うつくしい日々」とタイトルされたこの写真展は2016年5月に他界した蜷川さんの父、蜷川幸雄さんの死と向き合った日々に撮影した写真60点が展示されるそうです。
「朝起きたら信じられないくらい空が青くて、あまりにも綺麗だった。」という写真家の言葉のように近しい者のかけがえのない日々に直面した者のみだけ見える風景、同じ日常でも違う見え方が否応なくもたらされるのかもしれません。
この写真展の写真が撮影されたのは昨年の春。その一年後の同じ季節に展示されるこの写真展はかけがえのない日々を撮影した写真だからこそかけがえのない10日間だけの展示なのでしょう。
いつもと違う蜷川実花さんの写真が見れそうですが、プレスリリースの写真を見ているだけでも、ちょっと胸を押されている気分になります。
「うつくしい」が「かけがえない」もので、かけがえないものは苦しい。
5月14日には蜷川実花さんと飯沢耕太郎さんの対談もあります。
原美術館のサイトで是非チェックしてみてください。

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