『写真のミニチュア化』

アメリカ同時多発テロやジョン・F・ケネディ暗殺など、世界中の誰もが知っているシーンをとらえた写真を、精密なミニチュアで再現するという、ユニークなプロジェクトがスイス出身の2人組アーティストによって行なわれています。

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プロジェクトはまず人々の意識に最も深く焼きついている写真を集めることから始まりました。
ヒンデンブルク号爆発事故、世界貿易センターを攻撃したアメリカ同時多発テロ事件、タイタニック号など。
そして2人は段ボールやプラスティック等を使い、それぞれのシーンをミニチュアで丹念に再現していきます。
これはとても時間がかかる作業で、数日を要する作品もあれば数週間かかるものもあるそうです。

彼らはこれらの作品を「Iconen」と呼んでいます。
どの写真も、写真家や一般の鑑賞者が見ればそれが何のシーンかすぐに分かります。

ミニチュア模型を撮影し、最終的な作品が出来上がります。
本物ではなく「模型」であることを気付かせるためでしょうか、写真には粘着テープやグルーガンなど、時にはスタジオの一部や使用した素材が写り込んでしまっています。

この作品は自分達が楽しむために継続されています。
2人は天安門広場のシーンをつくるために、戦車の模型を7つ購入し、1週間かけて組み立てたましたが、すぐに限界を感じ、「楽しくなくなり」、製作作業を止めたそうです。
7台中3台の戦車は、撮影後の編集で複製されました。

最新の作品はジョン・F・ケネディ大統領の暗殺を再現した写真。
人のミニチュアをつくるのは難しいそうです。
この象徴的な写真はピントが合っておらず、細部の作り込みの荒さがごまかされています。
でも、3Dプリンターもあるこの時代、あえて手作業でつくられたミニチュアは遊び心に満ち溢れていてユニークです。

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