『スマホ上の指の跡』

あちこちを触った手で触られるスマートフォンは雑菌だらけだと言われています。
大げさではなく、付着した雑菌の数で言えばなんと便座よりも汚いのだそうです。
それに指紋でベタベタになった画面は、決して見栄えが良くないですよね。

テキサスの写真家、タビサ・ソーレンは、そんなスマートフォンの汚れに着目しました。
彼女の作品「Surface Tension」は、ベタベタのスマホ画面を撮影することでつくられています。
電話やメール、SNS、動画視聴などで、せっせと画面上に汚れを溜めたうえで、大判カメラでそのスマホ画面を撮影。
汚れのせいでディスプレイはところどころぼやけており、油絵の具を塗りたくったかのような独特のテクスチャーが現れています。

http://www.euqinomprojects.com/soren-surfacetension

べったりと指紋の跡がついた写真からは不衛生な印象を受けますが、ソーレンは汚れをアピールすることで衛生管理について注意を喚起したいわけではないとのこと。
むしろ、ソーレンはこの作品を通じて無機質なデジタル文化から人間性を取り戻そうとしている。

この作品からは、わたしたちは人間は、毛むくじゃらで、脂っぽくて、汚れているということを認識させられます。
ソーレンはこのプロジェクトを通じて、人間が本来もつ美しさを思い出させようとしているのです。

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