まるで小説のような世界

写真家 岡田敦さんがライフワークとして2011年から10年に渡って撮影してきた北海道根室半島の沖合にある小さな無人島、ユルリ島に関するサイトが12月1日に公開になりました。
昆布業が盛んで、それを引き上げる労力として馬が島に移入されたのが1950年、時代とともに労力としての馬の役割と産業衰退とともに最後の島民が島を離れたのが1971年、その際に馬だけが島に残され2006年には雄馬が島から引き上げられた、その島と馬たちの姿です。
1976年にはユルリ島が北海道自然環境保全地区に指定され、学術調査以外での上陸は禁止されているので、興味を持ち始めた2009年の時点では撮影許可が下りず、それから交渉を続けて初めて島に降り立って撮影したのが2011年とのことです。
凍てつくような北の自然界の中の馬の様子や島の様子を見ていると体感温度さえ下がっていきそうなのに、なんだか胸が熱くなります。

サイト内は6章の構成で「ユルリ島」の歴史や背景に引き込まれてしまうテキストとともに写真を見ることができ、さらに4本の映像作品が音楽とともに見ることができます。
アーカイヴや資料記録というよりは、小説を読んでいるような、映画を読んできるよな、まさにひとつの作品世界です。

2017年にユルリ島の関心が高まり「根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会」が設立されたそうです。

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