どうしたって圧倒的

の展示方法とは、夜の繁華街を彩るネオンや電光看板に混じりながら円形、正方形、長方形のライトボックスの突き出し看板に森山氏の写真が浮かびあがるスタイルです。歓楽街にコントラストの強い大道氏の写真がライトボックスによって浮かび上がる光景、写真で見るだけでもかっこいいです。なんだか以前からもそこにあるように見えるほど夜の繁華街に溶け込んでいます。
タイトルは「Brightness/Contrast」。
これはコロナ禍の打撃を受けた金沢の中心地に対しKAMU Kanazawagaが何ができるかという思いから金沢市と新天地商店街組合の協力によって実現したそうです。
さらには市内の19本の電柱に森山氏の作品に頻繁に出てくる被写体「唇」にスポットを当てた作品を展示しています。こちらのタイトルは「唇 : エロスあるいはエロスではない何か」。
展示配置場所はKAMU Kanazawa入館時に配られる地図に記載されているそうです。新天地のライトボックスは来年3月31日まで17時から24時まで点灯、19ヶ所の電柱展示は来年の10月22日まで開催です。
街中にある作品を見ながら散策できるこういう企画って楽しいですよね。

https://artsticker.app/events/1261

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俳優と写真家のアートブック

俳優の佐藤健と写真家マリオ・ソレンティとのアートブックが来年2023年発売されます。現在先行予約中ですが予約サイトにはアクセス集中でつながりにくい場合があると注意書きがあるほどです。
さて、有名写真家が有名人を撮影した写真集なのでは、と数ある写真集のように思ってしまいますが、写真集ではなくあえてアートブックとしているのは佐藤健さんの強い思いがあるようです。
「ただ写真を撮ってもらうのではなく、ネットやインスタなどで一時的に消費されてしまうものとは全く違う写真を第一線で生み出し続けているマリオ・ソレンティとのコラボレーションとして、今後に残るアートとしての作品をこの機会に全力で生み出したい」(サイト抜粋)
と上記のようにサイト内に記されています。
消費されるものではない写真、という表現からもこのプロジェクトへの強い想いが伝わるようです。
あくまでも「作品」としての写真であり、同時にもちろんこれはマリオ・ソレンティの作品でもあるといっています。
今年の9月に2日間のみで撮影されたバックステージがサイトにもYouTubeにもアップされています。コラボレーション相手の写真家がマリオ・ソレンティである時点でものすごい予算のかかったプロジェクトであることはわかりますが、バックステージのほんの数分を垣間見ても映画のようなコストのかかったものだというのもわかります。
アートブックのタイトルは「Beyond」、348mm×257mmという変形サイズで、96ページ(仮)、価格は税込2万円です。
現在12月13日まで一次予約受付期間、12月20日から来年1月31日までが2次予約受付期間となっています。一次予約の特典は抽選で20人に購入者の名前と佐藤氏の直筆サインが入るということなので、ファンや写真集コレクターには垂涎ものでしょう。
バックステージではマリオ・ソレンティのシューティング風景がないところに2日間の緊張感が感じられます。
来年発売されてからの話題、評価も楽しみですね。

https://colavoshop.jp/special/beyond/

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二期にわけて観れるテリ・ワイフェンバック写真展

日本でも根強い人気の写真家 テリ・ワイフェンバックの写真展が二期にわたって開催されてい
ます。この展覧会での作品は2020年の「さいたま国際芸術祭2020」にて展示されたもののコロ
ナ禍の状況に見舞われたため、再度あらためて鑑賞できる機会となりました。
「さいたま国際芸術祭2020」のために2019年の春にワイフェンバックが埼玉の地を訪れて撮影
した作品で、埼玉の15ヶ所以上で撮影されました。
この時のテーマが「花 / Flower」。花や草木、昆虫や鳥など日常の身の回りにある光景の一瞬
一瞬を幻想的に撮影するワイフェンバックにとって彼女のライフテーマそのものです。
その作品が「Saitama Notes」となりました。
今回12月25日までのパート1では「Flowers & Trees」1月14日から4月2日までのパート2は
「Cherry Blossoms」というテーマのもと開催されます。
来年桜の季節にワイフェンバックが撮影した桜の写真を見ることができるなんて嬉しいです
ね。
ワイフェンバックのファンで埼玉出身の方にとっては貴重な作品群なのではないでしょうか。
2回のパートに分けて約37点の作品が展示されるそうです。場所は目黒のBlitz Gallery、入場が
無料というのも嬉しいです。会期中何度も足を運びたいです。
http://blitz-gallery.com/exhi_095.html

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おとととい

真家 石田真澄さんによる、女優 夏帆さんの写真集「おとととい」は今年の4月に刊行されました。
そして半年の時間を経て現在写真展「otototoi」が開催されています。
石田真澄さんといえば19歳でカロリーメイトの広告クリエイティブに抜擢され、独学で勉強した写真はスナップショットの手法でどきりとするほど瑞々しい一瞬を捉える写真家。
石田さんと夏帆さんは友人でもなく仕事関係でもないというところから時間を共にし、旅行をし、散歩をし関係を築きながら2年間撮影したものがこの写真集だそうです。
すでにそのままが眩しい夏帆さんですが、石田さんによってさらに夏帆さんの透明さが群を抜いて、それでいてまるで夏帆さんと同じ時間を隣で過ごしているようなそんな日常の優しいショットで綴られた写真集です。
写真展関連イベントではなんと夏帆さんと石田さんのトークイベントや川島小鳥さんとのイベントがあって盛りだくさんですが、この写真展が写真集刊行から半年経って開催されるところもこの展覧会の特徴ではないでしょうか。
一般的に発売記念として同時に開催される写真展ですが、ゆっくり写真集を味わってから改めて写真展を観るというのもとても味わい深いものだと思います。
実際にこの写真展では写真集未収録のカットも含められ「おとととい」ファンには嬉しい展覧会ではないでしょうか。

ちなみに写真集のタイトル「おとととい」は石田さんが子供の頃から使っている「一昨日の前の日」という意味の言葉だそうです。

https://bookandsons.com/blog/otototoi.php

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マン・レイ展

アレック・ソスの展覧会で話題になりました神奈川県立近代美術館にて、今度はマン・レイの写真展「マン・レイと女性たち」が開催されています。
同時開催中のコレクション展では内藤礼さんの展覧会も開かれていて、年間スケジュールをチェックしたい美術館のひとつですね。
さてこのマン・レイ展、監修が巌谷國士氏、そして国際マン・レイ協会会長のマリオン・メイエ氏、2004年から2005年にかけて五つの美術館を巡回したマン・レイ展「私は謎だ。」を監修したお二人です。
展覧会構成は年代を追って、ニューヨーク、パリ、ハリウッド、そしてパリという順で、プライベート関係から社交界、ファッション界、映画界までの女性たちを捉えたポートレートがテーマです。
マン・レイといったらこれ!という作品や有名なセルフポートレートなど、約260点の作品と関連資料が出品されています。
巌谷國士氏や飯沢耕太郎氏による関連イベントも見逃せません。
会期は来年2023年1月22日までです。
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超絶美しい

この秋、11月にライカのM6がよみがえって発売されるというニュースが駆け巡りましたね。
ライカM6は今からおよそ40年前の1984年から2002年にかけて約17万5000台が製造されライカのアイコン的存在のモデルです。
近年のフィルムカメラ人気再燃、若い世代からのニーズに応える目的でこのカメラの復刻に至ったそうです。
当時のオリジナルM6を忠実に再現しながらもトップカバーの材質や各パーツの表面コーティング、露出表示など2022年版としてアップデートされています。
M型カメラの最新作がフィルムカメラ、というのがフィルムカメラファンにはたまりませんね。付属ケースに収められたその美しい姿!
といっても発売されたら即購入できるような値段でもありません。
日本では748,000也。円安の影響は受けるのかなと思ってユーロで見てみると大体換算されている通りの値段です。本国ドイツのサイトと同じユーロでもイタリアのサイトではほんの少し値段の差異があるのが気になりますが。
製造過程が手作業ですからね、この価格。
それでも世代を超えて受け継ぐことのできるカメラの魅力はやはり尽きません。
M6の製造過程の動画が英語音声ですがこちらで見られます。
美しいカメラはその製造過程も美しくて、ちょっとため息が出ちゃいます。
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やっぱり先をいくダイアン・ハースト

先日10月11日、ちょっと衝撃的なニュースがありましたね。
ロンドンのニューポート・ストリート・ギャラリーにてダミアン・ハーストが自身の作品1000点を焼却するというライブパフォーマンス。ハースト自身が燃え盛る暖炉の火に作品を入れて焼却する様子の動画も流れました。
これは1年前にダミアン・ハーストが立ち上げた新しいNFT(Non-Fungible Token 非代替性トークン)のプロジェクトで、「Currency 通過」と名付けられた作品です。ハーストの代名詞のようなカラフルなドットが描かれたA4サイズの作品を1万点を制作、紙幣のように個別のメッセージが施されて偽造防止をしたこの作品は物質的なそのものの作品ではなくNFTとして販売され、1年後の今年2022年に購入した所有者は物質的な作品またはデジタルとしての作品どちらかを選択しなければならないという、まさにアートの価値について投げかけたプロジェクトでした。
結果は5149人が物質そのものの作品を選んで、4851人がNFTを選び、そのため4851枚の作品を焼却することになったのです。
アートのデジタル化、考えさせられます。

10月11日にまず1000枚が焼却され、展覧会の会期10月30日まで毎日決まった時間に焼却されるそうです。公式インスタグラムでもみることができます。

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30年の軌跡展

昨年惜しまれて最後の公募を終えた「写真新世紀」。
その30年間の文化支援プロジェクトの歩みを振り返る「写真新世紀30年の軌跡展」が東京都写真美術館で開催されます。
歴代受賞者の中から一般投票で選ばれた10名の受賞作品展、そして2021年度グランプリ受賞者の新作個展が展示内容です。
さて、その一般投票で選ばれた10名とは:
青山裕企(2007年優秀賞)
新垣尚香(2005年優秀賞)
大森克己(1994年優秀賞)
奥山由之(2011年優秀賞)
澤田知子(2000年特別賞)
高島空太(2016年優秀賞)
中村ハルコ(2000年グランプリ)
蜷川実花(1996年優秀賞)
長谷波ロビン(2012年優秀賞)
浜中悠樹(2012年優秀賞)(敬称略)

選ばれた写真家の名前とその受賞年を見るだけでもなんだか感慨深いですね。
そして関連イベントも興味深いです。
10月16日には出展者によるトークショー、11月5日には大森克己氏、佐内正史氏(1995年優秀賞)、奥山由之氏、三者によるトークショーがあります。11月6日には飯沢耕太郎氏と南條史生氏によるトークショーと野口里香氏(1996年グランプリ)による写真レクチャーがあります。
写真展もイベント参加も入場無料です。イベントは定員があります。
10月16日のオープニングが待ち遠しいです。
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コンポラ写真の代表的作家

渋谷PARCO 8階のギャラリースペース「ほぼ日曜日」にて牛腸茂雄氏の写真展「はじめての、牛腸茂雄。」が開催されています。
牛腸茂雄氏といえば1994年に発売された「SELF AND OTHERS」が写真を勉強する学生にも写真ファンにも語り継がれている写真集があります。
コンポラ写真の代表的な作家といわれる牛腸氏ですが、「SELF AND OTHERS」の双子の女の子の写真など一度見たら忘れられないほど強く印象を残します。
牛腸氏は幼少に患った病気と闘病し1983年に36歳の若さで亡くなっています。桑沢デザイン研究所で同級生だった写真家の三浦和人さんのインタビューが2016年にほぼ日刊イトイ新聞にて掲載されました。そこで牛腸さんのひととなりを伺えることができます。
今回の展示で約100点の作品が展示されますが、その中の1995年撮影のじっとこちらを見る可愛らしい女の子の写真がありますが、実は漫画家でイラストレーターのしまおまほさんだという、驚きの話もこのインタビューに載っています。
(https://www.1101.com/gocho_miura/2016-11-24.html)

この写真展の特徴のひとつはこの展覧会のために三浦さんご自身がプリントし、そしてアクリル板なしで展示されるということです。
牛腸さんのフィルムや関連資料を保管されている三浦さんの快諾があって実現しているそうです。
そしてもうひとつ「ほぼ日」らしいのは、案内人役をギャグ漫画化の和田ラヂヲ先生が担当されるという点です。
一見難解に思えてしまいそうな写真展を和田ラヂヲ先生を通して作品を鑑賞できるという企画が面白いですね。
ラヂヲ先生が描いた双子の女の子のイラストなども味深く、展覧会のオリジナルグッズとして販売もされています。

まさしく「はじめての、牛腸茂雄。」写真展。11月13日までです。

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6年ぶりの大規模個展

東京オペラシティ アートギャラリーにて10月から始まる川内倫子さんの個展開催概要が発表されました。
2016年に熊本市現代美術館で開催されて以来6年ぶりの個展、しかも大規模個展です。
タイトルは「M/E 球体の上 無限の連なり」です。
「M/E」とはMotherとEarthの頭文字、つまりは「母なる大地」そして「私 Me」という意味もあるそうです。

2019年にアイスランドで撮影した氷河や雪景色、そしてコロナ禍での日常の風景など未発表作品を交えて構成される展示会場は、建築家 中山英之氏が空間設計を手掛け、川内さんの連載エッセイにて中山氏とチームについてそのプロフェッショナルさを讃えているほどです。大規模な展示の空間設計がいかに大切なことか伺えます。
直近の約10年の活動に焦点を当てて展示され、2016年に出産され母になられた時間も多分にあり、作品に繋がり、作家の感性にあらためて触れられるのが楽しみです。

10月8日から12月18日まで開催され、その後川内さんの出身である滋賀県にて巡回されるというのもいいですね。
会場は滋賀県立美術館、会期は2023年1月21日から3月26日です。
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