火星が遠い星だったのはもはや過去の話。
現在ではNASAなどによる調査や、移住計画まで持ち上がっているほど「近所の惑星」と言っても過言ではありません。
そんな火星上でも、地球とかなり似た気象現象が発生しているようです。
寒冷前線や雲の形成などは、火星の薄い大気のなかでも発生する気象現象らしいのです。
しかし、そうした天候の動きを綿密に観測することは困難です。
地球の周囲には、多数の気象衛星が存在していますが、火星の周囲には、気象だけを観測する衛星は存在しないからだそうです。
現在、火星の軌道上には6機の宇宙船があり、そのうちのひとつ、NASAの「マーズ・リコネッサンス・オービター」(MRO)には、広角カメラが搭載されていて、日々の、そして季節ごとの火星の気候の変化を追跡しているんです。
ただし残念ながら、静止画像では、短時間で変化することも多い火星の気象状況をダイナミックに捕らえることはできません。
そこで、イリノイ州に住む地質学者でアマチュア天文家のジャスティン・コワートさんが、火星の雲の動きがわかる短い動画を作成してくれました。
http://www.planetary.org/blogs/guest-blogs/2016/1104-capturing-martian-weather-in-motion.html
短い動画ですが、雲が動いているのがわかります。
これらの画像は、欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「マーズ・エクスプレス」に搭載されている「高解像度ステレオカラー画像撮影装置」(HRSC)が撮影したものです。
コワートは、HRSCが2005年に火星の観測を始めたときから、1万件を超える画像を収集してきたそうです。
この動画はそのほんの一部を利用しただけとのこと。
つまり、ほかにもたくさんの火星の天候画像がストックされているというわけですね。