『アフガニスタンの別の顔』

ウクライナ人の写真家アンナ・ロシュキンの写真が映し出すのは、人々がごく普通にストレス解消する風景。

カラオケバーで流行歌を歌う姿、遊園地でバンパーカーをぶつけ合う姿、ピンボールを楽しむ姿などなど。
これらはどこでも目にするような光景ですが、撮影場所はアフガニスタンです。
常に戦争が起こっているような危険な国というイメージですが、それでも人々は娯楽を求めるのですね。

http://www.annaloshkin.com/gallery.php?pg=8

ロシュキンはアフガニスタンの首都カブールに1カ月滞在し、街を歩き回って、ボーリング場やペイントボール場などの「よくある」娯楽施設を見つけました。
その多くはアメリカの占領下でつくられたもので、カブール市内に増えつつある中産階級に人気だそうです。

そうした施設はアメリカの文化を取り入れたものですが、アフガニスタンの伝統的価値観や道徳観にも沿っているそうで、女性は出入禁止になっていたりするそうです。

女性たちは女性たちで、家やショッピングセンターに集まってアイスクリームを食べたり、モールに併設されたゲーセンでゲームを楽しんだりします。

ロシュキンがこうした撮影を開始して以来、アフガニスタンの政治や経済をめぐる情勢は悪化する一方で、こうした施設も今後どうなるのかわかりません。

それでも生活は続いています。
ロシュキンが撮影した多くの写真は、タリバン政権下で禁止・あるいは自粛されていた数々の活動を楽しむ人々の様子を見せてくれます。
パーティでダンスする姿やボーリングの球を投げる姿は、終わりの見えない戦争の国で、個人の自由と楽しみを主張する大切な瞬間の一枚です。

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