光の硬さ、柔らかさ

光の硬さ、柔らかさって何でしょう?
感覚の表現は人それぞれなので、捉え方が難しいですよね。
光で硬い、柔らかいといってもなかなかどんなものなのか分かりづらいかもしれませんが、コントラスに置き換えると想像しやすいかもしれません。

照明撮影機材のセッティングでストロボとトレーシングペーパーの距離によって、被写体に当たる照明のその光は、硬くも柔らかくもなります。ストロボとトレーシングペーパーが近いと被写体と影のコントラスが強くなり、いわゆる硬い光となります。一方、ストロボとトレーシングペーパーの距離を開けると被写体と全体にあたる照明が柔らかくなり、影のコントラストも緩やかです。これを光が柔らかいといいます。

もちろんストロボから直接被写体に照明をあてると、強すぎて被写体と背景とのバランスもうまくいきませんね。そのため間接照明やトレーシングペーパー、レフ板などで補助していきます。同じ光量でも補助の仕方、角度、高さによっても光の表情は変わっていきます。

照明機材を基本的なものを揃えれば、限られた機材なりにもやり方を工夫し、被写体に合ったいろいろな光を作り出せることも可能です。
演出する楽しみを味わいながら、是非!
撮影照明の専門店、新宿ショールーム

フィルムとデジタル

今日のデジタルカメラでは一眼レフのみではなく、コンパクトデジタルカメラでもRAW形式の撮影ができるものも多く出回るようになりました。
さて、RAWとは?一般的に使われるJPGとはどうちがうのでしょうか?
文字通り「生」を示すRAW形式は撮影後に編集できるデータということ、またその分メモリー数も多いことから、画質そのものがいいと理解し、どんな撮影にもRAWで撮影するということをききますが、JPGとの違いを理解して撮影によって使い分けましょう。

繰り返しますが、RAWは未加工のままのデータで、最終的な画像を決めるすべての要素が含まれている状態です。つまりはRAWで撮影して、その後メモリー数も軽いJPG画像に処理することもできるのです。もちろんその逆は不可能になります。
これまでのフィルム撮影に置き換えて例にしてみると、撮影するフィルムそのものがRAWで、フィルムから写真としてプリントしたものがJPG画像とたとえられるかもしれません。
フィルムの保存がよければそのフィルムから同じ画質のプリントができるのも、RAWデータは同様なことがいえます。RAWには色調からホワイトバランス、彩度やコントラストなどを調整したからフォーマットを決めて画像にできるのです。JPGのように一般的な画質から、TIFなどの画質の高い形式にもできるのです。

万能に思えるRAWデータですが、デメリットとしてはそのファイルの容量です。メーカーやモデルにもよりますが容量が大きい分、撮影できる枚数がJPG撮影より1/4前後違ってきます。
撮影によってRAWかJPGか使い分けるのはこのためです。保存すべき写真や撮影後に編集が必要ない場合にはJPG撮影で十分、そしてもちろん特別な撮影などにはRAW撮影が有効ということです。
撮影照明

ISO感度について

普段普通に使っているISOとは何?
ISOとは銀塩カメラの頃からのネガフィルム、カラーフィルム、カラーリバーサルフィルムのそれぞれに対して定められた測定法に基づいたフィルム感度表示です。デジタル一眼レフカメラでも同じようにISO感度を設置し、必要なシャッタースピード、撮影環境に合わせて調整します。

例えばISO感度100で撮影していたものを、400に変えることによって同じ露出で4倍速いシャッタースピードで撮影できるということです。
つまりは、速さを必要とする動物写真や、スポーツ写真など、また感度が必要となるくらい場所での撮影にはISO感度を高めに設置することにより撮影設定を調整することができるのです。

フィルムを購入する際にはISOが高いフィルムほど値段が高くなるので、ISOが高ければ高いほど画質がよい、つまりきめの細かい画像になると勘違いする場合があるようですが、その意味で言うと反対で、ISOが上がれば、粒子が粗くなって解像度が下がります。しかし高感度のため、暗い場所でもブレを防ぐシャッタースピードで撮影できるというわけです。

光が充分にある場合は、なるべくISOを低くして撮影するのが望ましいというわけです。

ちなみにASA感度というのもISO感度と同様で、アメリカ規格です。ヨーロッパでは一般的にISO感度の方が使われています。
商品撮影機材

アングルを変える

前回お話しした「構図」にひき続き、今日はアングルについてみていきましょう。
写真撮影する際に、構図を決めていくことが主張したいこと、表現方法なのに直接関係していきます。さて、構図を考える時に大きなヒントになるのは、撮影アングルを変えることです。

ブツ撮りにしても、正面からまたは真上からセッティングしてとることが多いですが、被写体の印象を変える効果として、アングルを変えることが非常に有効です。左右の方向を変えるだけで被写体によっては見方が随分変わりますし、またアングルとともに目線の高さも工夫してみるといいでしょう。

ブツ撮りだけでなく、これはもちろん人物撮影でも大きく作用します。
人物撮影の場合、撮影するアングル、目線の高さがそのモデルと写真を見る側との距離感そのものに置き換えられます。例えば、上から見下ろした撮影方法をとると文字通り威圧した感じや上から見下ろした目線になり、一方下から撮影した場合には迫力が増したりといった感じです。こどもの撮影の際には、不意な仕草などをとらえるためにアングルを変えたり、そして目線の高さを合わせることがこどもの豊かな表情を引き出せることにもなります。

配置、アングル、高さなどを組み合わせていくことにより、狙った表現方法と、意図したい見せ方が実現できるようになるでしょう。
マニュアルはあくまでもマニュアルとして、試行を重ねて自分らしい表現方法を見いだしてみてください。
商品撮影照明

写真でも動画でも

何度か取り上げてきた構図の作り方。
被写体を真ん中に持ってきてしまう「日の丸構図」と反して、画面の縦と横それぞれ三分割して線が交わる点に主被写体を置く、「黄金分割」があることは、前にもお話ししましたね。

構図の取り方によって、被写体の印象を大きく変えることができるため、構図の取り方ひとつで、撮影初心者であっても撮影の「うまさ」を表現できる大きなポイントなのです。

主張したい商品、主役である人物、強調したいモノなど、それをそのまま真ん中に持ってくるのではなく、黄金分割のように、四隅のどちらかに寄せて構図を決めていく。またはF値を開放近くに開けて、被写体の前後にボケを強調して写し込む、などといったこれらのテクニックは、いわゆる「写真は引き算」といわれるように、すべてを写し込まない、余計な要素を削ぎ取っていく、まはた被写体の周りに多くのものがある場合は、それをボケを利用して主役を引き出す。といったことにつながります。

この構図の作り方、実は写真でも動画にも言えることなのです。「見せ方」はあらゆるところで目にします。例えばスポーツ番組でも、伝えるという純粋な面からではアスリートの表情を真っ向から写す撮り方もあれば、「見せる」場面では、写真と同様「黄金分割」が使われることがあります。つまり、写すべき被写体よりも背景の方が多く面積を占める画面に仕上がります。背景の面積が多く占めたとしても、被写体が真ん中にあるか、それとも三分割した交差した点に配置するかによって随分印象が変わります。こんな風に、写真だけでなく、動画でも構図の取り方が共通することがあります。撮影ストロボ機材