イタリアのフィレンツェをテーマに、こんなコンテストが行われています。
「夏のフローレンス2015」と題し、イタリア内で写真家の登竜門と言われ写真ギャラリーを有している写真科の専門学校と、ライカ・カメラ・イタリア、そしてフィレンツェの中央市場がコラボレーションし、開催されたコンテストです。
参加方法はいたって簡単。フィレンツェの夏をテーマに写真を撮影しインスタグラムに投稿。その際に♯florence150、とハッシュタグをつけて投稿すればOK。
イタリアはイ、タリア統一後イタリア共和国となり、まずトリノに首都が置かれ、その後フィレンツェに、そして現在のローマに首都が移行していきました。
フィレンツェに首都が置かれてから今年で150周年にあたり、これを記念して、ハッシュタグが♯florence150、ということです。
ファイナリスト優秀な作品の幾つかは協賛であるフィレンツェ中央市場の大型スクリーンに映し出され、3名の優秀者には主催者とライカ・カメラ・イタリアからセレクションされたワークショップへの参加権がおくられます。
いわゆる賞金や名声をを目的に参加するような大掛かりなコンテストではありませんが、フィレンツェで写真が撮れて、インストグラムのアカウントを持っていれば参加できる、とても簡単でオープンなコンテストです。こんな風に町の活性化にSNSを利用するのも、現在のネット社会、スマホ社会のなかで、とりいれやすいプロジェクト、と言えるでしょうか。
今まであまり目を向けていない地元の人はもちろん、観光都市のフィレンツェでは、多くの外国人も訪れます。可愛らしいコンテストが頭の隅に記憶されていれば、送ってみようかなあ。と思ったり、ちょっと視点を変えて町をよく見る機会にもなりますよね。
『アナログなテクノロジー』
https://www.youtube.com/watch?v=5EBnrh-WSto
ファッションブランド「Forever 21」が開催したイベントに登場した動画ですが、少し解像度が荒めなのが気になります。
というのもこれ、実はピクセルの代わりに「糸巻き」を使用しているんです。
1ピクセル=糸巻き1コ。
このスクリーンの「解像度」は、80×80ピクセル、つまり80列×80段で6,400個の糸巻きを使用しているのです。
実際に巻かれているのは糸ではなく36色に染められた一本の織布で、長さにして約11.2km、そして何千ものモーターやギアで構成された機械で、色や画像の再現を行なっています。
どのように制作されたのかも、こちらに公開されています。
https://www.youtube.com/watch?v=dvDHNDkO-Qo
さらにこれ、インスタグラムと連動しており、ハッシュタグをつけて写真をアップすると、このスクリーンにそれが映し出される(かも)という仕掛けも。
クリエイティヴ・エージェンシー「BREAKFAST」の共同創設者であるアンドリュー・ゾルティーが、Forever 21からの依頼を受け、約1年半前にこのプロジェクトをスタート。
ファッションにおけるもっとも基本的な要素である「糸」にこだわり、何度も実験と試作を重ねて完成させました。静電気が原因で機械が炎上するということも度々あったそうです。
ニューヨークの店舗に期間限定で設置されていました。
実物も見てみたかったです。
『映り込み』
綺麗な夜景を撮りたいのに映り込んだ自分の顔ばかりとれてしまう・・・
という経験ありませんか?
ガラス窓への映り込みは、ガラスが完全に透明な物体でなく、表面で光を反射するた
めに起こり 、室内と室外の明暗の差が大きいとき、特にこの現象は起こりやすいで
す。
映り込みを逆手にとって、アーティスティックな撮影をするのも一つのテクニックで
すが、映り込みが邪魔で台無しになってしまうこともしばしばありますよね・・・。
そんな中、技術は常に進歩するもので・・・。
マサチューセッツ工科大学とGoogleから、写真への映り込みや不要な近景を除去する
技術が発表されました。
自然な映像が持っている統計的規則性も利用して、フェンスやガラス越しに撮影した
風景画像から、フェンスそのものや窓に反射した自分の姿などを除去することができ
るそうです。
5万枚の画像について、画像を8画素×8画素のブロックに分割し、各ブロック内での
画素間の相関を計算。
その結果に基づいて算出した各ブロックの出現確率を基に、映り込んだ映像と背景映
像と区別することで、映り込み映像の除去につなげたそうです。
現在はまだ実証実験と論文の段階らしいですが、将来的にはフツーに映り込み防止機
能を搭載したデジタルカメラが登場するかもしれませんね。
プロ泣かせかもしれませんが、カメラの性能が上がったり機能が充実するのは歓迎で
す!
中平卓馬 訃報
先日Twitter上に、海外からも含め、中平卓馬氏の写真が多くツイートされているのを見て、あれ?どうしたんだろう、と思っていると、中平卓馬氏の訃報が届きました。
77歳でした。
写真家森山大道氏と同い年で、60年代の「プロヴォーグ」にて、その名が両名とも知られ、現在までカリスマ的存在の写真家の一人でした。
その後の作風は変わりましたが、当時の作風は大道氏とともに「アレ、ブレ、ボケ」といった、粒子の荒れた白黒写真がセンセーショナルであり、前衛的な作家として現在まで人気を保持したまま撮影活動は続き、2003年には横浜美術館で本格的な個展が開かれました。
1977年に病に伏し、断片的に記憶を失うという障害が残るものの、活動を再開し、近年では35mmのカラーフィルムでの撮影が続いていました。
独特な風貌と、記憶障害と再起といった唯一無二の存在の写真家は、彼の写真同人誌を知らない世代の若い学生さんたちからも支持と憧れが絶えることはありませんでした。
横浜美術館での個展からすでに10年以上経過しているので、近い将来白黒写真から、生前までのカラー写真、中平卓馬の全貌がみえるような回顧展が開かれるでしょうか。
ご冥福をお祈りします。
『リバイバフォン』
カメラや携帯を水没させて致命的なダメージを与えたことはありませんか?
ズボンのポケットに携帯をいれたまま洗濯をしてしまった時、ドライヤーをあてれば
直るという話も聞いたことはありますが、僕はカバンに入れたペットボトルから
ジュースが漏れて、デジカメを完全にこわしてしまったという苦い経験がありま
す・・・。
水没により壊れる原因は、言うまでもなく水分ですよね。
この水分を乾燥させるだけでは、完全に復活させることはできないみたいです。
これは、水に含まれる“ミネラル成分”が、内部に付着することによる接触不良を起
こしているからだそうで、このミネラル成分を除去しないことには、いくら乾燥させ
ても故障は治らないのだそうです。
しかし、こうした場合に役立つのが「リバイバフォン」。(何だかドラえもん風です
が・・・)
特殊な液体が安全な方法で基盤からミネラル成分を除去することで、機器を安全に復
活させることができるんです。
使用方法はとてもカンタンで、水没したデバイスの電源を切って、液体を注いだ付属
の専用袋に入れて7分間密封。取りだした本体を24時間自然乾燥させ電源を入れれ
ば、乾燥だけでは反応しなかった機器も通常通り復活するとのこと!
ちなみに、メーカー調べで復活率が90%らしいです。
これがあれば、もう水没なんて怖くないですね。
『キヤノンEOS 7D Mark II』
ニコン好きの僕ですが、「カメラグランプリ2015大賞」で2つの賞を受賞したキヤノ
ンの「EOS 7D Mark II」はとても気になります。
「EOS 7D Mark II」はキヤノンのデジタル一眼レフカメラEOSシリーズの中で、APS-C
サイズのイメージセンサーを搭載する系列では、最上位モデルと位置づけられていま
す。
2,020万画素で、最高10コマ/秒の連写が可能。
さらにオールクロスAFセンサーを搭載し、プロ機並みにピントを合わせ続けられると
高い評判を呼んでいます。
鉄道や飛行機、鳥などの撮影には存分に性能を発揮し、満足のいく撮影ができるはず
です。
また、滑らかで追従性の高いオートフォーカスを実現する「デュアルピクセルCMOS
AF」を採用したのも魅力のひとつ。
手軽に美しい映像表現が可能であるうえに、フルHD/59.94p の高いフレームレート
での撮影や、再生互換性の高いMP4形式での動画記録にも対応しています。
本来3年程度でリリースするはずが、最新の機能や装備を追い求めた結果、リリース
に5年かかったこのカメラ、完成度がとても高いです。
APS-Cとしては高めの価格にもかかわらず、今年の売上ランキングはいつも独占状態
でしたね。
安心して使える使い勝手の良いカメラとして、今後も人気のカメラとなりそうです。
画像の無断転用
佐野研二郎氏の2020年東京オリンピックのエンブレムをめぐる問題は、収まる気配が
ないですね。
収まるどころか、パクリ疑惑の指摘が相次いでいます。
特に、サントリーのトートバックに使用されたフランスパンのデザインは、だれかの
ブログからコピーしたフランスパンの画像を回転させ一部のみ使用するという、いわ
ゆる写真の無断転用(盗用)ではないか?という疑惑まで浮上しています。
実際、そのブログ主は「無断」だとコメントしています。
趣味のブログで写真をアップする人は、無断転用される可能性は大いにあり得ます。
しかし、このフランスパンのトートバックのように、写真の一部だけ使用されたり解
像度の変更や加工などもされてしまうと、たとえ写真の無断転用を発見したとしても
自分の写真かどうか確証が取れないので注意しようがないです。
おまけに、一度複製の拡散が始まったら、それを止めるのはほぼ不可能です。
もし大事な「写真作品」をネットにアップする際は、無断使用される危険を考慮しな
ければなりません。
アップロードする時点で、ダウンロードされるかもしれないというのは当然と言えば
当然のこと。
ただ、写真作品を自分のパソコンにダウンロードして楽しむ行為自体は、私的使用の
ための複製として認められています。
それならいいんですけど、勝手に何かに使われるのはイヤですよね。
その写真が一人歩きして、著作権がだれのものかわからなくなってしまう前に、作品
に自分の名前やウェブサイトを直接刻み込んでおくことや、あらかじめ劣化した画像
をアップロードすることなどの対策をしておくと未然に防ぐことができるかもしれま
せん。
今回の騒動の教訓として、覚えておきたい心掛けですね。
Sony World Photography Awards 2016
ソニーが支援する、世界最大規模の写真コンテストが「ソニーワールドフォトグラフィーアワード」。
部門は「プロフェッショナル部門」「一般公募部門」「ユース部門」に分かれていて、誰でも無料で応募できる挑戦甲斐のある写真コンテストです。
一般公募部門では、合計10のカテゴリーに分かれて作品を応募します。
建築、自然、パノラマ、旅行、人々といったなかなか細かなカテゴリーわけで、普段からライフワークとして撮り続けている写真がどれかのカテゴリーに当てはまりそうです。
面白いのは、世界規模の写真コンテストですが、日本人写真家によって撮影された最高の写真を表彰するという、日本部門賞というもtのがあります。
一般公募部門に応募した日本人写真家による作品の中から選ばれるもので、そのため、一般公募部門に応募したものは、他の部門に応募できないという注意点があります。
ハービー山口氏が審査員として加わり、上位3位者が表彰、商品が贈呈されます。
2016年のこのコンテストは2015年の6月1日より応募開始され、2016年1月12日までが応募期間になっています。
公式サイトでは2015年度のコンテスト、最終候補作品が部門ごとに見ることができ、このフォトグラフィーアワードの傾向、特徴などの様子を伺うこともできます。
写真コンテストに参加することは、撮影してきた自分の写真を見返す、向かい合うことになります。
競うのではなく、向上には絶好な機会です。
撮影機材・LED照明の専門店
石内都のフリーダ・カーロ
前回セバスチャン・サルガドのドキュメンタリー映画に触れたばかりですが、またまた興味深いドキュメンタリー映画が公開になりました。
近代メキシコの代表する女性画家、フリーダ・カーロの遺品を日本の近代写真家の代表の一人、石内都が現在はフリーダ・カーロの博物館になっている彼女の生家で撮影した過程を収めたドキュメンタリー映画です。
この二人の組み合わせで、ズドンっと心を捉えられます。
2004年に死後50年を経て遺言通り数百点のフリーダ・カーロの遺品が公開されました。そして2012年にこれらの遺品を撮影するプロジェクトが立ち上がり、石内都へ撮影依頼があったという経緯です。
石内都といえば、母親の遺品を撮影した「Mother’s」、今やライフワークとなっている広島の被爆者の遺品を撮影した「ひろしま」などで世界中にその名を知らしめ、2005年にはヴェネツィア・ビエンナーレの日本館代表に、2014年には日本人としては三人目のハッセルブラッド国際写真賞を受賞。
繊細さと迫力、その両極を持ち合わさる彼女の作品の中にフリーダ・カーロの遺品も加わりました。
一点一点の写真を見ているだけでもフリーダ・カーロと石内都の相乗した迫力と「遺品」というものにたいして考えさせられます。
撮影された遺品、写真、それを撮影する写真家をドキュメンタリーとして追った映像。
これもまたこの夏の必見のひとつです。
撮影機材・LED照明の専門店
天の川イルミネーション
東京タワーで行われているイベント「天の川イルミネーション」。
8月31日までの毎日、大展望台(150m)フロアとフットタウン屋上から大展望台まで続
く約600段の上下外階段まで、LED総数130,000個の光のファンタジーを演出し、天の
川がかかった夏の夜空が再現されています。
通常は昼間限定で開放されている外階段が、この期間は夜間まで延長して開放され、
夜景とイルミネーションを楽しみながら大展望台まで昇ることができます。
さらに登りきると「ノッポン公認 昇り階段認定証」がもらえるそうです。
幻想的な空間を作り出す毎年恒例のイベントですが、今年は昨年の2倍の13万個
LED13万個が使われているそうで、昨年よりもさらに美しいイルミネーションを楽し
むことができます。
イルミネーションと聞くと冬に行われるイメージがありますが、東京タワーのように
夏もイルミネーションイベントが行われているスポットはあるんです。
都内近郊では他にも東京ミッドタウンの「サマーライトガーデン(SUMMER LIGHT
GARDEN)」や山下公園のイルミネーションもとても見応えがありますね。
関西地方では、京都の鴨川と堀川で行われる「京の七夕」が有名で、京都らしい雅で
幻想的なイルミネーションが楽しめるほか、元離宮二条城の二の丸御殿ではプロジェ
クトマッピングも行われます。
夏の花火もいいけど、夏ならではのイルミネーションもいいものですね。