本当の色

前回に続き、ペット撮影のちょっとしたコツを見てきましょう。
さて、屋外で躍動感ある動物ならではのショットを撮りたいと思っても、
いざ撮影すると実際の犬、猫の毛色が随分と変わったりしませんか?

それは露出で解決!
自動設定にしておくと、背景の色や光の加減と、動物の毛並みの色で露出がどちらかに引っ張られて
黒い犬なのに、グレーに見えたり、白い猫なのにぼんやりした毛色になったりすることがあります。

そんなときには場所を変えるたびに露出補正画面でチェックし調整しましょう。
プラスにすると明るくなり、マイナスにすると暗く写ります。
つまりは、毛色の黒いペットの場合、つやのある漆黒さを出すためには露出をマイナス気味に設定すると、より黒さが際立ちます。

同じように毛色が白いペットの場合には露出はプラス気味に。
しっかりと白さが出る撮影設定をし、本来の色を引き出しましょう。
もちろんディテイルも大切なので、黒をつぶしすぎたり、白を飛ばしすぎませんように!
撮影照明が重要

リフレクター

ご存知ですか?「リフレクター」。
名前はあまり聞いたことがなくても、実物をみると「ああ、このことか」と思われる方も多いはず。
大きさは小物撮影用の小さなレフ板サイズから、ひろげると1m-1.5mなどあっという間に大きなリフレクターになるものまであります。
スタジオ撮影のストロボ光を和らげる効果から、スタジオでも屋外でもレフ効果を大いに活用できるアイテムです。

一度広げてしまうと、どうやって畳んだらいいのだろうと初めて使う時には思いますが、弾力ある枠組みを、迷いなくクルクル曲げていくとあっという間に数分の一の大きさに変化します。
持ち運びにも便利ですし、いざという時に非常に活躍してくれるので
撮影時に持ち歩く頻度が自然に多くなります。

通常表裏の色は違っていて、白、黒、銀、金のリバーシブルカラーになっている場合が多いです。
これもまた色の使い道は、アンブレラの使用時とほぼ同じように使い分けするといいでしょう。自身が照明効果を与えるのではなく、間接照明または拡散光効果をするアイテムの力がいかに大きいかというのは、写真のクオリティーを追えば追うほど感じられることのひとつです。
撮影機材のご相談

アンブレラ

スタジオ撮影には欠かせない、ストロボとほぼセットと考えていいアイテムが、そう「アンブレラ」です。
簡単に、そして的確に拡散光がつくれることもあり、スタンダードですが
表面内側と素材や色によって違いと使い道が多様です。

重宝されるアンブレラに、アンブレラとディフーザーが一体になったものがあります。

もちろん撮影スタイルと撮影する被写体によって変わってきますが、
アンブレラディフーザーの長所として、持ち運びが便利(畳めるという利点)つまり収納時も場所をとらない。組み立てが簡単で速い。バウンス光なのでコントラストが気にならない柔らかな光が得られる。そして、それゆえに被写体のみでなく周囲にも光を放つ。ということが挙げられます。

一般的なアンブレラは内側は白です。この白によって拡散された柔らかい光が撮影に効果大です。一方内側が銀色のアンブレラもありますね。これは白いものよりも
コントラストが利く光が生まれます。ざらっとした質感、強くアピールしたい被写体など、また服飾の場合そのスタイルに合わせて銀のアンブレラも試してみると面白いと思います。

上記の長所のように、持ち運び、収納、組み立てが便利なので
まず照明を変えたい!といった初心者の方でもおすすめです。

撮影機材アンブレラ

シズル感

よく料理写真において「シズル感」という言葉を耳にしますが、
「シズル感」とはなんでしょう?
広告業界で食品において生き生きとした感触があり、それを見ると食べたり飲んだりしたい気持ちにさせる状態であるということを指します。
英語のsizzleは肉がジュージュー焼けることを意味してます、その発音からきてる言葉なんですね。
前回お話しした「湯気」もシズル感を上げる効果があるのも納得です。
つまりは熱々の状態、そしてみずみずしさ、調理によって変化する食品のもつ色やつやの新鮮さがこのシズル感につながるということです。

もうひとつシズル感は、動きがあることによって生き生きした表現が生まれます。
つまりは、数時間前にはすでにそのかたちに出来上がっているお弁当や、水分のない食品や、温度を必要としない食品などからシズル感を引き出すのは難しいということです。

このシズル感はもちろん広告業界で使われるため、どれだけおいしそうに見せて
食欲、つまりはその広告の対象に触発するかが目的です。

これはブログの料理写真や、実際に自分が食した料理の記録などにも利用できますよね。家庭で撮影する時には、以前は盛りつけたお皿をいかに上手に撮るのかに重点を置いていたのを、一度、どのように温度、水分感、動きを加えようか試してみてください。例えば盛りつけたお皿の料理を静止した状態でなく、盛りつける状態を撮ってみるとか。
工夫していくとシズル感の魅力に納得ですよ!
料理撮影照明

おいしい湯気

料理で何よりもごちそうは「湯気」だ。といった人がいました。
つくりたての温かい料理からの湯気は、確かに何よりも食欲を湧き立て
おいしさを増長させてくれます。
そんな大切な存在を料理写真のなかにぜひ取り入れたいものですよね。

さて、そんな「湯気」をどうやって撮影したらいいのでしょう。
まず大切なのは背景です。明るい背景に、湯気の「煙」は写ってきません。
ですから、なるべく黒に近い暗めの背景を選ぶことが大切です。
その背景を利用しながらライティングしていくと「湯気」部分が白く浮き出てきます。

そして次にシャッター速度です。
速いシャッタースピードでは「湯気」は写り込まないので、スローシャッターにすることが重要です。それでもあまりにもスローシャッターにすると、大げさに湯気がぼやっと写り込み不自然になりますので、その加減を試写してみてください。
料理撮影はF値を開放気味にすると柔らかな感じと立体感が出ますが、スタジオ撮影での「湯気」をテーマにする撮影の場合、あまり開放しすぎずお皿と料理、そして湯気のそれぞれ一部にきちんとフォーカスがくるようにF5.6からF8くらいの間を試してみてください。

「ちょうどいい」塩梅がキーワードですよ!
ストロボ撮影照明

ブーム

本格的な写真撮影をしたいという方、少しでもプロの写真に近づきたいという方。
どの撮影機材から揃えたらいいのか、とお悩みになるでしょう。
もちろん、必要不可欠な機材は決してひとつではないので、一概には言えませんが、三脚を揃えた後に、ぜひブームとよばれる写真撮影用ブームスタンドを1台いかがでしょう?

ブーム横棒で、高さが調整でき、トップライトとして大変重宝する照明機材です。
またスタンドの支点の部分で角度を調整できるので、照明角度も簡単に変えられます。ライトの形式はそれぞれですが、ライトボックス型のものもあれば、シンプルな電球ライトもあります。傾けた角度によって大きな照明が「あまたでっかち」となって前のめりしないように、ブームの末端にサンドバックがついているものもあります。小さな付属品に思いがちですが、実際撮影セッティングをする際には、こういった小さな配慮された部分が、非常に役に立ち、スムーズに撮影準備を進めることができます。

一灯しかない時でも、このブームを使って、自然なトップライトを演出し、プラスαとしてレフ板を使って調節するとたいていのブツ撮りなどの写真撮影は無難にこなせるでしょう。
ぜひ一台欲しいところです。
ストロボ

脇役が決め手

素晴らしい映画には、必ず素晴らしい脇役の役者の活躍があります。
その脇役があるからこそ主役がさらに前に押し出されるかたちになるんですね。

それは写真も同じようなことが言えます。
被写体が主役ならば、背景は脇役。どんな色、かたち、マテリアルなど被写体のテーマを伝えるのに大きく関わってきます。
普通、広告写真などを見る時に背景色はなに色だろう、この質感はなんだ?と思って眺めることはほとんどないかと思いますが、間接的に被写体のイメージを大きく左右しています。

あまり意識することはない背景ですが、このことを一度意識して、カタログ撮影やブログ用写真、オークション用写真など撮ってみると印象はぐっとかわってきます。

例えば商品である被写体の形状や、色などを正確に伝えたい場合には白の背景を。グラスや布でもディテイルが出やすいので説明写真としても明確に伝わりやすいです。
照明スタイルももちろん作用してきますが、効果的なライトと黒の背景を使うと内密な、それでいて高級感を引き出す色としても使えるでしょう。

どんな仕上がりにしたいかというイメージを練り、背景色、素材を考えることは
結局は直接主役の商品を引き立てることにつながることになります。
撮影機材

ISO感度とは

ISO感度という言葉に慣れ親しんでいない方もいらっしゃると思います。
まずISO感度というのは撮像素子(CCDまたはCMOS)が一定の時間内に受け取ることが可能な光量のことです。
数値は100・200・400・800・1600・3200となっています。
数値が低ければ低い程、ノイズは少なくなりますが、光量が少ないので暗いところではシャッタスピードが遅くなり、手ぶれが起きやすくなります。
また高ければ高い程光量が上がるのでシャッタスピードは速くなり、手ぶれが起きにくくなります。ですが、ノイズ成分が増え、画像が粗く、解像度が落ちるというデメリットがあるんです。

こういったものですので、場面によってISO感度を上手く使い分けて下さいね。
基本的には明るい所だとISO感度は低めに、暗いところだとISO感度は高めに設定するといいですよ。
ですが、もし三脚をなどを使ってしっかりとカメラを固定して撮影するのなら、暗くてもISO感度は低くした方が画質が良く撮ることができます。

このようにISO感度について述べてきましたが、実は最近のデジカメは技術が大変発達して、昔ほどISO感度が高い状態ので画質の粗さはなくなってきています。デジカメの進歩は本当に凄いですね(笑)。こうなると手ブレを気にするか、多少の画質の粗さを気にするのか、どちらかによって設定を変えるわけですが、いずれにせよ最近の機種ですとそこまで気にしなくても大丈夫になってきています。

撮影機材はライトグラフィカで

デジカメの焦点距離と画角について

まず焦点距離という言葉自体になじみのない方がいらっしゃるかもしれませんね。
そもそも焦点距離というのは何なのでしょうか。

焦点距離というのはピントを合わせる際に出てくる無限マーク(∞マーク)のところでピントが合う距離にある被写体にピントを合わせた際に、レンズの真ん中から撮像素子までの距離を意味しています。この焦点距離が変わっていくと画角も変わってきます。画角というのはレンズがCCDやCMOSといった撮像素子に映し出すことができる範囲を意味します。

レンズの焦点距離の数字が低い程広い画角を取ることが可能です。逆にその数字が高い程画角は狭くなり、遠くの被写体を写すことが可能になってきます。つまり、レンズの焦点距離を的確に変更することでカメラマンが撮りたい範囲を好きに選ぶことができる、というわけなんです。なかでもズームレンズ。これはそのレンズの焦点距離の範囲ならば好きに焦点距離を変更することが可能です。場所や被写体に応じて、焦点距離を変えていろいろ試してみて下さい!

レンズによってですが、同じ焦点距離で撮っているのに、撮影距離が違うだけで画角が変わってくるときがあります。ピントを合わせる際にどこのレンズを動かすかによってこういったことが起きるのです。例えばレンズの一部を操作してピントを合わせるといったことをすると、ピントの位置が近い程に画角が広くなる、ということになるわけです。

被写界深度

デジカメ一眼レフのメリットとデメリット

一眼レフという言葉自体はたくさんの方が耳にする機会があるとおもいます。
ですが、実際にそれって何?と質問をされたら困る人もいますよね。意味はなかなか知られていないんですよね。
まず一眼レフというのは「一眼レフレックスカメラ」という言葉の略で、レフレックス=反射というとおり、カメラの中に鏡を置いて、
レンズを通した画像をファインダーの中で直に確認をし、ピントを合わせたりすることができるカメラを言います。
その鏡=ミラーはシャッターを押した瞬間に上がり、レンズを通してはいってきた画像はフィルムのカメラだとフィルムに、
デジタルカメラですと撮像素子を通じてメディアにセーブされることになります。

この一眼レフの最大のメリットというのは何と言ってもレンズを取り替えることができることにあるでしょう。
コンパクトカメラとの一番大きな違いはここにあると言っても過言ではないです!
レンズによって写真は本当に大きく変化します。その変化を一台のカメラで体験出来るのです。
そしてそういうふうにカスタマイズ等をしているうちにだんだんとカメラに対する愛情も大きくなるんです(笑)。

ですが、デメリットもやっぱりあるんです。。まず構造上仕方のないことで、どうしても本体が大きくなってしまい、重くなってしまうんです。
それとお金ですね。レンズをいろいろと交換するのは非常に面白いものなのですが、その分お金がかかってしまいます。

こういったメリットとデメリットがある一眼レフ。癖があるということもできると思いますが、
その分はまると抜け出せない魅力もあるんです!

撮影機材の専門店