コンストラクディッド・フォトグラフィ

あるままを撮影する「ストレート・フォトグラフィ」と反対の写真を指す「コンストラクディッド・フォトグラフィ」とはあらかじめ出来上がりの映像、写真を想定し、準備をし撮影する写真のことを言います。
英語の「コンストラクト」の通り、どういう風に演出して、組み立てて、構築されて撮影された写真です。
現在CHANEL NEXUS HALLで開催されている写真展「Retrace our Steps ある日人々が消えた街」で展示されている写真もコンストラクディッド・フォトグラフィの手法を用いて撮影されたものです。
ギョーム・ブレッションさんとカルロス・アイエスタさんのユニット活動による「No Go Zone」というプロジェクトは東日本大震災後に幾度となく現地に足を運び撮影されたものですが、多くのドキュメンタリー写真と違うところは、そのものを撮影するのではなく、そこに演出を加えることによって、より現実味を増して伝える「コンストラクディッド・フォトグラフィ」という表現方法を経ていることです。
電気が途絶えてしまった暗闇の夜間、強いフラッシュを当てて撮影した作品シリーズ「光影」や、透明シートを用いることによって見えないものを「可視化」した試みのシリーズ「悪夢」など、ドキュメンタリー以上に見るものに訴える迫力が加わります。
ジャッジするのではなく記録すること、という彼らの作品は、コンストラクディッド・フォトグラフィを効果的に用いることによって「報道」と「アート」どちらも兼ね備えています。
彼らのサイトでのメイキング映像での撮影風景、インタビューからも一朝一夕ではない緻密な計画と準備が伺えます。
すでにヨーロッパでは写真コンテストの受賞、フェスティバル参加、メディアなどにも多く取り上げられています。この機会に是非、会期は7月24日までです。

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動物カメラマン、パリ・カルティエ現代美術財団から招待

動物カメラマンの宮崎学さんの写真が、パリ・カルティエ現代美術財団主催の「グレートアニマルオーケストラ展」に招請され、7月2日から来年2017年1月8日まで展覧会が開催されます。
宮崎さんの動物撮影のそのスタイルが独特です。
カメラを動物に向けて構えると、それに反応してしまい本当の野生の姿が撮影できない。そこで動物の動きを察知して動作するセンサーをカメラに装備し、そのカメラを動物の行動範囲に設置するという無人撮影。この無人撮影を40年以上続けているそうです。
土門拳賞を受賞した「フクロウ」を始め、最近何かと話題に上るクマ、とくにツキノワグマの写真など、普段見られない野生動物の驚きの写真を撮り続けています。
今回のパリ・カルティエ財団現代美術館での展示では、ツキノワグマをはじめ、その他にも見所は鹿の死体が自然に戻る、その2年間の様子を定点撮影したものがモニター展示されるそうです。
これを機にさらに世界でも注目を集めそうです。

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松井みどり氏の連続講義

多摩美術大学の非常勤講師でもある美術評論家の松井みどりさんが「言葉、物、自己と他者 : 1960~70年代の写真、現代美術、ダンスにおける現実との接触」というタイトルで連続講義が開講されます。
1回90分の講義で全7回の全行程は中平卓馬から始まり、森山大道、ロラン バルトを経由して前衛芸術全般に広く影響を与えているジョン ケージ、さらにダンサーでありコレオグラファーのイヴォンヌ レイナーとトリシャ ブラウンへと結ばれていきます。
全7回の講義内容をみるだけでも、写真、現代美術、ダンスをそれぞれ接点を見据えて、それらの繋がりを独特な視点で構築されるレクチャーは、松井みどりさんだからこその聞き応えのある講義になるでしょう。
講義の第1回目は7月19日、応募締め切りは前日の7月18日までです。
暑い夏に松井さんのインテリジェンス溢れる講義で目から鱗、これまでにない観点に開眼するかもしれません!

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『360度GroPro、正式に登場』

最近360度撮影の動画を見かけることがありますが、その撮影方法はというと、カメラを複数台連結できるキットを購入したり、自作でカメラを組み合わせて作ったり、とにかくカメラ1台では無理みたいです。
ちなみに「GoPro」からも公式に360度ビデオ撮影用キットが発売されているんですね。

GoProはすでにGoogleと共同展開している「Odyssey」というハイエンド向け製品を発売しています。
しかし16台ものGoProカメラを連結して使う必要があり、かなり高額になってしまうのです。

そこで、もう少し一般向けに発売されたのが今回の「Omni」という製品。.
ただそれでも53万円もするそうですが。。。
6台のGoProカメラをサイコロ状にして使うというものです。

このキットを使って撮影した映像がこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=0wC3x_bnnps

このようなカメラは「VR(バーチャルリアリティ)カメラ」というみたいですね。
YouTubeで再生されると、画面左上にある十字アイコンを動かして、再生中に自由に視点を変更できるようになっていて、さらにVR用のヘッドセットを装着すると、まさに自分がその環境の中にいるような体験ができます。
たとえば右を向くと映像もそれに合わせて動くとか。

360度動画って、普通に見るとただ見づらいだけかと思いきや、とんでもない近未来の機能が搭載されているんですね。

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シュタイデル社のブックアワード

こちらでも話題に取り上げたことがあるでしょうか、世界で最も洗練された出版社の一つと言われるドイツの「Steidel社」。ゲルハルト・シュタイデル氏が1968年に創設した、印刷から出版までの全ての工程を社内で手がけるこだわりと、その出版される本の美しさに定評があり、とくに有名な写真家からの賞賛が集まる出版社です。
今年8回目を迎えるThe Tokyo Art Book Fairの一環として「Steidl Book Award Japan」が開催されます。その内容とは!
日本に拠点を置いて活動しているアーティスト、写真家、ブックデザイナー、学生などが応募でき、プロアマそして国籍を問わないというもので、応募者はアートブックやダミーブックを提出します。
受付締め切りは8月20日で、グランプリ受賞作品の発表は11月10日にシュタイデル氏自身によって発表されるスケジュールです。
なんとグランプリ受賞者はドイツにあるSteidl社に招かれ、ゲルハルト氏とともに本を製作して、Steidl社から出版される権利を得ます。まさにSteidl社から世界へ!
このニュースに興奮されるアーティスト、フォトグラファー、学生さんなど多いことでしょう。
なんといってもこのアワードのすごいところは、Steidl社からの出版ということはもちろん、日本を拠点においている人が対象ということで、世界各国から応募されるアワードとは違い、大きく一歩アドバンテージがある点です。
どんな作品が選ばれるのか、いまからもうすでに楽しみです。

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『潜水艦カメラ』

ラジコンなど多くのおもちゃを販売している「株式会社シー・シー・ピー」から、水
中で自由に動かせて、搭載したカメラで静止画はもちろん動画も撮影できるという、
潜水艦「サブマリナーカメラ」なるものが販売されています。
おもちゃとしては完成度も高く、いわば「水中ドローン」。
自由に操作して撮影もできる、本格的な潜水艦おもちゃです。

この「サブマリナーカメラ」は、アルカリ単3電池×2本で動き、なんと約40分も保ち
ます。
コントロールは専用のリモコンで行ない、誰でも簡単に操作できるようです。

カメラのスペックとしては、写真は120万画素でJPEG約800枚、動画は30万画素で約5
分の撮影が可能です。
現代のコンデジと比べると、物足りなそうなスペックに感じますが、実際撮影された
映像を見ると迫力があり、満足できます。
それとあくまでトイカメラですしね。

色々な水場を観察できそうです。
しかし、操作範囲が2mなので、少し注意が必要ですね。
また、50度未満のお湯であれば問題なく動作するとのことで、お風呂で遊ぶことも想
定されているんですね。

こちら、公序良俗に反する内容、第三者の知的財産権又は肖像権等を侵害する画像、
映像の撮影は法的に禁止されていますので、遊ぶ際には充分にご注意ください。

これからの季節に、水遊びが一層おもしろくなりそうな、そんなトイカメラですね。

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『光る靴』

LEDライトで光る靴。
キッズシューズとして、ときどき見かけるます。
キッズたちの夜間の安全のためや、見た目のかわいさなど、魅力は多くあるのです
が、その多くは基本的にはシンプルに光るだけでした。
しかし、それがセンサーを内蔵してインターネットに接続されていたらどうなるか?

こちらは、日本企業の「no new folk studio」が製作した「Orphe」。
LEDライトで光る靴という点はいっしょですが、キックをしたり、ステップを踏んだ
りするごとに、その動きに応じてさまざまな色に変化していきます。
センサーが移動スピードや高さを測定し、発光の強さや色を変えているのだそうで
す。

さらに、この「Orphe」の中にはBluetoothモジュールが仕込まれていて、リアルタイ
ムでデータを飛ばすことが可能です。
つまり、靴をコントローラーとして使うことができるというわけです。
開発者はこの靴を「スマートフットウェア」と呼びます。

ではこの先、このスマートフットウェアでどんなことができるのでしょうか。
開発者の菊川裕也さんは以下のように語っています。

例えば単純に「道案内」でしょうか。
コンパスも内蔵されているので、「靴に道案内をさせる」ことも可能です。
右に歩くべきときは、右の靴が光って誘導してくれる、といった仕組みですね。
他にも、歩数計の代わりになったり、医療やリハビリの現場での歩行支援の手伝いな
どもできます。

今はスマホで大抵のことができますが、「画面と向き合って、指で操作する」という
基本操作は必要ですよね。
でもウェアラブルだったら、自分が考えていることをデバイスが推測してやってくれ
ます。
特に靴であれば、いつのまにか身につけているものですので、靴を履いているだけで
日常の便利さが得られる、という状態を目指しているのだそうです。

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ローマで土門拳

今年は、日本とイタリアの日伊国交樹立150周年を迎え、両国どちらとも多くのイベントや展示会が催されています。
そんな中、ローマで土門拳の写真展が開催されました。
イベントの中には海外でも人気のある浮世絵の展示会やや食をテーマにした催し物がありますが、写真展として土門拳展が開かれるのは違った視点から日本を紹介できるのではないでしょうか。
土門拳の写真はヨーロッパでも知られていますが、海外での本格的な個展は初ということで、山形県酒田市にある土門拳記念館の全面的協力を得て実現したそうです。
ローマのアラ・パチス博物館で「土門拳 – 日本のリアリズムの巨匠」と題した写真展では、1920年代から1970年代までの約150点の写真の展示があり、フォトジャーナリストとしての土門拳の視点で捉えた日本社会から広島の惨事まで、タイトルの「日本のリアリズムの巨匠」という名を体現した展示内容になっています。
ローマでの展示期間は9月18日までですが、興味深いことは同時期に(7月10日まで)土門拳記念館に於いても、ローマの展示作品を同名のタイトルで展示会が開催される点です。
ローマで観れなくても土門拳記念館で観ることができる!
この機会に日本のフォトジャーナリズム、偉大な日本の写真家土門拳が残した作品を観るいい機会ですね。

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思い切りのいいデジカメ

ライカから「ライカM システム」の最新モデル「ライカM-D」が発売されました。
なんと、こちらのモデル、通常デジタルカメラの本体の側面には必ずある液晶ディスプレイがないんです。「創造力をより自由に発揮して写真撮影だけに集中できる」というのがその理由のようです。
さすがライカ、思い切りがすごいです。
つまりはカメラに装填されているのはシャッタースピード、絞り値、ISO感度というミニマムな設定です。ちょっと見ではまさにフィルム仕様のレンジファインダーカメラのようです。
画素数は2400万画素の35mmフルサイズCMPSセンサーを採用し、画像の記録形式はDNG(RAW)形式のみとのこと、またここで「おお」という感嘆の声がもれそうです。
さすがライカ、思い切りが違います。
必要なもの以外は排除するという方針、ライカのレベルでなければ実現しないでしょう。
フィルムカメラ愛好家でも、そしてデジタル時代になった現代でも、カメラ、写真好きならいつかはライカを持ってみたいと思うでしょう。
そんな憧れのライカが「本質を追求」というコピーとともに発売された新たなMシステムは、まさに玄人好みで、玄人でなければ手にできない感があります。
そして、お値段もなかなか簡単には届かない値で、ゼロがちょっと違います。

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『「ここWiFi飛んでんな」』

もしWiFi電波が目に見えたら。

ということで、目に見えないWi-Fi電波の強度を3Dグラフィック化した変わり者がい
ました。
アメリカのハッカー Chrles Lohrs氏による動画が公開されています。

WiFiの電波は見えないだけに同じ部屋の中でもここならつながる・つながらない、こ
こなら速い・遅いと勘で認識するしかありませんが、もし仮に空間の電波の「濃さ」
を直接感じる能力があればこんな風に見えるかもしれませんね。
意外とローテクな計測方法と可視化の過程は続きの動画で確認できます。

Lohrs氏いわく、WiFiの電波を受けて光るLEDライトでWiFi信号の強度を見ていたとこ
ろ、明るさがランダムに変化し、ライトを持って少し移動するだけで強度が違い色が
変わることに気づいたそうです。
そこで、これを連続的に記録すればWiFi電波の3Dマッピングができるのでは、という
発想がこのプロジェクトの発端なのだそうです。

当初はそのLEDライトを手で持って左右に動かし、上からカメラで連続撮影してから
長時間露光風画像を合成する、というローテク極まる方法で実験。
最終的には手で持つ代わりに機械に取り付けてジグザグに動かしたり、高さも少しず
つずらしたりしながら、データをPCに送って3Dグラフィック化する方法にたどり着い
ています。

でも、なぜこんなに濃度差が出来るんでしょうねえ。
不思議ですね。

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