『世界の果ての写真』

南米大陸の南にある諸島「ティエラ・デル・フエゴ」。
日本語に訳すと「火の土地」を意味します。

大航海時代にマゼランが発見したことで知られている島々です。
先住民があちこちで焚き火をしているのを、地面から火が噴き出しているとマゼランが勘違いしたことから、その名がつけられたのだといいます。

国としてはアルゼンチンに属していて、南極大陸とは1,000kmほどしか離れておらず、南極への玄関口となっています。
つまり、人間が住む地域としてはいわば「世界の果て」とも言える場所です。

事実、フエゴ島の都市ウスアイアには「世界の果て博物館」があり、「地球の果て巡り遊覧船」によるクルーズも楽しめるとのこと。
島を走る列車につけられた名前も「世界の果て号」とのことで、とにかく「世界の果て」推しです。

そんな「世界の果て」を撮影した写真集「El fin del mundo」が、ベルギー出身の写真家によって公開されています。
http://www.brittvangenechten.be/index.php/el-fin-del-mundo/
古びた家が立ち並び、道路には雪が積もっています。
見渡す限り荒地が広がる場所もあれば、断崖絶壁にペンギンの大勢群がる場所もあります。
人物はほとんど写り込んでいないのですが、写真には人の気配がかすかに漂っています。
「世界の果て」の風景はどこか虚しく、孤独を感じさせますが、しかし、そこにはたしかに人間の営みがあったのです。

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『中国的ネカフェ』

日本でもそうかもしれませんが、中国でも多くの若者がオンラインゲームに夢中だそうです。
ネット依存者のための更生施設もあるぐらい、ネットの世界にのめり込みます。

彼らは自宅よりもむしろインターネットカフェでオンラインゲームを楽しむようです。
だからなのか、今や中国ではインターネットカフェが最大級の娯楽施設だと言います。
街なかのどこにでもインターネットカフェは存在しているようです。

そうした現状に目を付けた中国のフォトグラファー、武靖力はインターネットカフェを撮影するプロジェクトを開始しました。
彼のプロジェクト「Chinese network life」からは、日本のインターネットカフェとは少々異なる光景が伝わってきます。

http://wujingliart.com/zp/chinese-style-network-life/

薄暗い部屋にズラッと並ぶディスプレイとリクライニングチェア。
仕切は無く、日本のように個室にはなっていません。
ヘッドホンをしてゲームやネットをしている若者もいれば、カップラーメンを食べている若者もいます。
その様子は日本のそれと大して変わらないような気もしますが、よく見ると犬が写っていたり、煙草を吸っていたりします。
日本よりもはるかに猥雑でカオスな空間なんだと気付かされます。

中国には約14万5000店ほどのインターネットカフェがあり、1時間あたり数十円の利用料とドリンク代を支払ってパソコンを使用するのが普通のようで、「Chinese network life」は中国の若者の現状を写し取るために進められたものだそうです。
それにしても、日本だと娯楽というよりどちらかと言えば低予算の宿泊施設というイメージがありますが、よく考えれば本来の目的から外れた利用法なんですよね。
日本のインターネットカフェは独特の進化を遂げたのですね。
中国のほうがある意味で真っ当な使い方と言えるのかもしれません。

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『写真に刺繍』

布ではなく写真に刺繍を施す奇妙なアーティストがいます。
しかも風景写真とかではなく人物写真、それも自分がシャッターを押した写真でもなく、そこらの蚤の市やスリフトショップなどで手に入れた、誰が撮ったのかも誰を映したものかもわからない写真を用いているそうなんです。
そのアーティストの名前は、ジュリー・コックバーンと言います。

https://www.flowersgallery.com/artists/view/julie-cockburn#works

学校で彫刻を専攻していた彼女は、日用品などさまざまな素材から彫刻作品をつくることを学んできました。
刺繍作品の制作においても自由に素材を選択しようとした結果、そのような写真に刺繍を施すことを思いついたのだそうです。

ジュリーが選ぶ写真はどれも色あせていて、なかにはかすれてしまっているようなものもあります。
長い時を経た写真に魅力を感じて、それと会話をするように刺繍をするのだとか。
そうしてカラフルに刺繍をされたセピア色の写真は、一つの作品として美しいコントラストを生み出している。
さらに幾重にも糸が縫い込まれることで刺繍には立体感が生まれていて、その立体性は後ろにある二次元の写真によって一層際立っています。
顔を覆い隠すように刺繍がされているのはいささか不気味ではありますが、二次元の写真と三次元の刺繍による「セッション」といえる作品なのかもしれませんね。

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『監視カメラが映し出す芸術的な風景写真』

モノクロ写真で表現された、荒々しい大地、幻想的で雄大な山々、うっそうとした森林。
http://www.marcusdesieno.com/surveillance-landscapes/
これらの写真はアメリカの写真家、マーカス・デジーノによって発表されたものです。
美しくも、自然の厳しさが伝わってくるような作品です。

何とデジーノは、普通の撮影のように、三脚を立ててタイミングを計りながら一枚一枚シャッターを切っていたわけではないと言います。
彼の写真はすべて、監視カメラにも使用される、インターネット上に公開されている「ウェブカメラ」によって撮影されたものなのだというから驚きです。
また同時に、こんな自然の中にもウェブカメラってあるんだな、ということにも驚かされます。
彼の、ウェブカメラが撮影した自然の姿をまとめた作品「Surveillance Landscapes」は、およそ2年もの月日を費やして制作したのだとか。

デジーノの感心は、写真技術がどう進化してきたのか、そしてその進化によってわたしたちの自然への認識がどう変わってきたのか、ということに向いているそうです。
彼は美しい自然の姿をとらえるため、歩き回って撮影を行うのではなく、パソコンの前で何時間もウェブカメラが映し出すモニターを監視し続けます。
そして無数のシーンの中からこれだと思ったものを選び抜いて、それらを大判カメラで改めて撮影することで、水墨画のような風景写真を生み出しているとのこと。

デジーノは、美しい自然の姿を伝えたいというよりはむしろ、監視カメラの機能にスポットを浴びせたいのだそうです。
不毛で荒涼とした自然に焦点を当てることで、世界中に監視カメラがどれだけたくさん存在しているのか人々に考えさせたい、そんな皮肉が込められているのです。

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『背中は語る』

背中につけられた傷は「逃げ傷」と呼ばれます。
「背中の傷は剣士の恥だ」というセリフはワンピースの名場面の一つとして知られていますが、敵から逃げようと背中を見せたがために付けられた傷なので、背中の傷は情けないものだということです。

ルイス・ドゥ・ベルは人々の背中に注目した、ベルリンの写真家です。
ただし、背中の傷ではなく「背中のシワ」です。
ニューヨークを行き交う人々の背中のシワをアップで撮影した作品「Cartographies(地図学)」を制作しました。

https://www.instagram.com/louisdebelle/

ただ背中を映しただけの写真ではありますが、それぞれの洋服が形づくるシワは多種多様で、実に表情豊かなものです。
剣士はいませんが、工事現場で働く人やデスクワークにいそしむ人などなど。
それぞれのシワは、その背中の人がどんな働き方をしているのか教えてくれます。
背中の肉に食い込んだ洋服は体型を物語っていますし、じんわりと汗をかいていれば疲労感が伝わってきます。

シワしか映っていないのに、その人物のいろいろなストーリーを読み取ることができます。
作品は、シワの抽象的な美しさを表すと同時に、人々のポートレートやストリートスナップのようでもあるのですね。
逃げ傷のような情けないシワにならないよう、良いシワを背負っていきたいものです。

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『満員電車』

東京で仕事をする上では、通勤のための満員電車は、会社での勤務時間内のストレスに加え、避けては通れないもうひとつのストレスですよね。
もはや海外にまで東京名物として注目されていて、それを体験したいがためにわざわざラッシュアワーに乗ってくる外国人観光客もいるほどなのだとか。

さて、写真家マイケル・ウルフの作品「Tokyo Compression」は、そんなラッシュアワーの小田急線に詰め込まれた人々の姿をとらえています。
http://photomichaelwolf.com/#tokyo-compression/1

混雑のあまり窓ガラスにぎゅーっと押し付けられた手や頬。
写真に映る人々はこの状況を何とか乗り切るために、ひたすら無にしているようにも見えます。
見るだけで苦痛なほど、窓ガラスは熱気で結露し、車内の湿り気さえも感じられてくるような迫力ある写真です。
ウルフは日本に来るたびに満員電車を撮影し続けたそうで、4年 間かけてこの作品を完成させました。

ちなみに、朝の小田急線は都内でも随一だそうで、ピークの混雑率は191%になるそうです。
平均混雑率の数字を見ると、名古屋圏は134%、大阪圏は124%ですから、やっぱり東京が異常なんですよね。。。

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『宇宙の写真』

NASAから公開された宇宙の写真が、国内でもたまにYAHOOニュースとかになることがありますよね。
綺麗ですよね、宇宙の写真。

でもこれって、天体望遠鏡で見たままの映像をそのまま公開しているわけではないそうなんです。
実はアーティストと科学者のコラボレーションによるものなのだとか。
撮影された様々なデータを、科学的にウソが無いように、あのようなビジュアルのCGとして作り上げている結果なのです。それは非常に手の込んだ作業です。

例えば、地球にとても似ている新しい惑星が見つかったとなれば、すぐさまその惑星の環境を表すリアルなビジュアルが作られます。
それは科学的根拠に基づいた、正確でリアルなイメージです。
そのイメージを見て、科学者たちはまた新たな発見をしたり仮説を思いついたりするそうです。
科学者とアーティストの間には、お互いに刺激を与え合い成長し合っていく関係があるのですね。

しかし、こうしたビジュアル作りの初期段階では、データがあまりとれず想像の部分が多かったため、両者の間には緊張があったと言います。
科学者たちは、アーティストの作る画像が過剰に人々の関心をあおる存在になってはいけないと考えていて、一方でアーティストたちは、その惑星が地球と似すぎてしまわないように細心の注意を払って製作に望みます。
ウソを入れたくない科学者と、想像の部分においては“表現”をしたいアーティスト。
人々をわくわくさせる美しい画像の裏側には、こうした密かな駆け引きが隠されていたのですね。

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父子二人展

写真家伊島薫。といえば死体を演じるモデルにハイブランドの服を着せた「最後に見た風景」シリーズ、かっこいいですよね。まず伊島薫さんの名で思い浮かぶのはこのシリーズの写真たちです。女性モデルはモデル業の人から女優、歌手までさまざま。撮影場所やその死体シーンとでも言うのでしょうか、その設定、構成もさまざまです。テーマとモチーフが怖いほどに相まって、スリリングなのに美しい、見入ってしまうシリーズです。
そんな伊島薫さん。ご子息も写真家だったんですね。
6月2日から「伊島薫・伊島薫太郎 二人展」が始まります。伊島薫さんは「虫螻(むしけら)」というシリーズの作品、薫太郎さんは「落花(らっか)」というシリーズをどちらも同名の写真集とともに額装プリント約30点ずつを展示販売するそうです。
身の回りの死んだ虫たちをリングライトを装着したデジタルコンパクトカメラの顕微鏡モードで撮影したという「虫螻」、着眼点と撮影方法が興味深いですね。
そして「落花」は花弁が落ちてく花を捉えたシリーズだそうです。どちらも死を、そして生を意識させるシリーズというのも父子二人展として面白いところですね。

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『空き家』

家を撮影するオーストリア出身の写真家、キャサリーナ・フィッツさん。
イギリスのリヴァプールやマンチェスターの家を映した写真だそうです。
しかし彼女が映し出した写真の中の家は、何か違和感を感じます。

http://www.katharinafitz.com/projects/boarded-up_houses.html

どの家も窓や扉が鉄板で塞がれてしまっており、どこからも入れなさそうになっています。
もちろん人の気配も感じません。
実はこれらはすべて、「空き家」なのだそうです。
入り口が封じられていて住居としての機能を失った建物は、さながら巨大なオブジェのようでもあります。

イギリスでは、空き家の数は60万戸あるそうで、そのうちの20万戸は半年以上も空き家の状態が続いているといいます。
ロンドンは東京よりも家賃が高いと言いますが、多くのホームレスがいる一方で、イギリス全土を見渡せば使われないままの家もまた数多くあるのです。

フィッツはそんなイギリスの住宅事情を浮き彫りにするべく、空き家だけを撮影した作品「Boarded-up Houses」を制作しました。
フィッツはまた、写真だけでなく映像も撮影していて、YOUTUBEで公開しています。
https://youtu.be/0TZg624CQ84
カメラは通りに沿って移動しながら、空き家だらけの街並みを映しています。
窓も扉もみんな塞がれてしまっている家が延々と続いていく風景には不気味さを禁じえません。

さて、イギリスの空き家は60万戸、率にすると3~4%になりますが、世界で最も人口減少がすすむ日本はどうかというと、、、何と約820万戸、14%もの住宅が空き家になっているのだそうです。
これは大変ですね。イギリスの比ではありません。
日本はどうなるのでしょうか。。。

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母の日にプリントを

5月の第二日曜日、照れなくてもお母さんに感謝ができる一年に一度の日です。
カーネーションが母の日のシンボルですが、この一年に一度の日に感謝の形としてお花以外になにをプレゼントしようか迷う人も少なくはないでしょう。
そこで写真をプリントしたものはいかがでしょう?
フィルムカメラ時代には現像したものを同時プリントするのは当たり前のことでしたが、デジタル写真になってからは、撮りためたものをアーカイブするものの実際にプリントして手に取ることや額に入れて飾ることも少なくなってきたのではないでしょうか。
SNSやメールでの写真送信や交換などは日常でもそのデジタル写真をプリントする、という行為がなんだか遠いものになっているような気がします。
家族みんなで写真を撮った一枚、旅行先の思い出としての一枚、イベントの際の記念の一枚など、母の日のプレゼントとしてプリントして贈るのはいかがでしょう。
年配の方の中にはご自分が写っている写真を敬遠する方もいらっしゃる場合には、家族の写真、お孫さんの写真、思い出の場所などのプリントも喜ばれるでしょう。
プリントを素敵な封筒に入れたり、お母さんの好みの額に入れてプレゼントするのもいいですね。
今年の母の日は5月14日です。
たくさんの写真の中からゆっくり写真選びをするのにもまだ時間がありますよ。
どこでプリントするか、どのサイズにプリントするかなど考える時間も楽しいものです。
贈る方も贈られる方も楽しい母の日のプレゼントにプリントを!

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